産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管あり)とは?全国共通の要件・保管施設の基準・申請の流れと行政書士に依頼するメリット

産業廃棄物収集運搬業(積替え保管あり)許可申請ガイド(全国共通) 6. 関連する許認可

産業廃棄物の収集運搬では、複数の現場から少量ずつ回収した廃棄物を自社の拠点に一時的に集め、大型車にまとめて処分場へ運ぶことで、運搬効率を大きく高めることができます。このように、運搬の途中で廃棄物を積み替えたり、一時的に保管したりするためには、「積替え保管を含む産業廃棄物収集運搬業の許可」が必要です。

積替え保管を含む許可は、通常の収集運搬業許可(積替え保管なし)に比べて、保管施設の基準、土地利用に関する他法令の確認、自治体との事前協議など、ハードルが大きく上がります。本記事では、全国に共通する内容として、許可が必要なケース、許可権者、施設の基準、申請の流れ、許可後の義務を整理し、あわせて行政書士に依頼するメリットをご紹介します。

「積替え保管」とは

積替え保管とは、収集した産業廃棄物を、処分場へ運ぶ前に別の車両へ積み替えたり、一定期間保管したりする行為をいいます。

  • 小型車で複数の現場から回収した廃棄物を、拠点で大型車に積み替えて運ぶ
  • 処分場の受入れ時間に合わせて、拠点で一時的に保管する
  • 少量ずつ回収した廃棄物を、一定量たまるまで保管してからまとめて運ぶ

これらを行わず、積み込んだ廃棄物をそのまま処分場まで直行する場合は「積替え保管なし」の許可で足ります。運搬途中で一度でも荷を下ろして保管・積替えを行うなら、積替え保管を含む許可が必要です。

「積替え保管あり」と「積替え保管なし」の違い

項目積替え保管なし積替え保管あり
運搬の方法積込み地から処分場等へ直行途中の拠点で積替え・一時保管ができる
許可権者積込み地・荷下ろし地の都道府県知事都道府県知事。積替え保管施設が政令市・中核市等の区域内にある場合はその市長
施設の要件運搬車両・容器運搬車両・容器に加え、積替え保管施設(囲い、掲示板、飛散・流出防止設備など)
他法令の確認原則不要都市計画法、建築基準法、農地法などの確認が必要
事前協議原則不要多くの自治体で指導要綱に基づく事前協議が必要
許可までの期間おおむね2か月前後事前協議を含め数か月~1年以上かかることも

許可は誰から受けるのか(許可権者)

収集運搬業の許可は、原則として廃棄物を積み込む場所と荷下ろしする場所を管轄する都道府県知事から受けます。積替え保管を含む場合は、これに加えて次の点に注意が必要です。

  • 積替え保管施設が政令市・中核市など(廃棄物処理法上の政令市)の区域内にある場合は、その市長の許可が必要になります。
  • 積替え保管を行う都道府県・市の許可は「積替え保管を含む」内容で、それ以外の積込み地・荷下ろし地の都道府県は「積替え保管なし」の許可で対応するのが一般的です。

積替え保管施設の所在地によって許可の申請先が変わるため、拠点の候補地を決める段階で申請先を確認することが重要です。

積替え保管を含む収集運搬業の許可要件

要件1:講習会を修了していること

公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の講習会(収集・運搬課程)を受講し、修了証を取得します。法人は代表者・役員(監査役を除く)または政令で定める使用人、個人は本人または政令で定める使用人が受講します。

要件2:運搬車両・容器があること

取り扱う廃棄物の種類や性状に応じて、飛散・流出・悪臭の漏れを防止できる運搬車両や容器を保有している(または使用権原がある)ことが必要です。

要件3:積替え保管施設が基準を満たしていること

積替え保管施設には、廃棄物処理法の保管基準に沿った次のような設備・措置が求められます。

  • 周囲の囲い:保管場所の周囲に、廃棄物の荷重に耐えられる構造の囲いを設けること
  • 掲示板:縦横それぞれ60cm以上の掲示板に、産業廃棄物の保管場所である旨、保管する廃棄物の種類、管理者の氏名・連絡先、屋外で容器を用いずに保管する場合の最大積上げ高さなどを表示すること
  • 飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止:床面の舗装、排水溝・油水分離槽の設置、屋根や覆いなど、廃棄物の性状に応じた措置
  • 保管量・保管高さの上限:保管量は原則として1日当たりの平均搬出量の7日分以内とされ、屋外で容器を用いずに保管する場合は積上げ高さの制限があります
  • ねずみ・害虫の発生防止:衛生害虫や悪臭が発生しないよう管理すること
  • 混合防止:他の物と混合するおそれがないよう、仕切りを設けるなどの措置

石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物を積替え保管する場合は、他の廃棄物と区分して保管するなど、さらに厳しい基準が適用されます。

要件4:土地・建物の使用権原と他法令への適合

積替え保管施設の土地・建物について、所有権または賃貸借契約などの使用権原が必要です。また、次のような他法令に適合しているかも確認されます。

  • 都市計画法:市街化調整区域や用途地域によっては施設を設置できない、または許可が必要
  • 建築基準法:建物や屋根付き施設を設ける場合の確認申請、用途制限
  • 農地法:農地を利用する場合の転用許可
  • その他、消防法、水質汚濁防止法、騒音規制法、自治体の条例など

要件5:経理的基礎があること

直近の決算書や納税証明書で確認されます。施設整備には相応の投資が必要になるため、資金計画や収支計画もあわせて審査されることがあります。

要件6:欠格要件に該当しないこと

申請者、役員、5%以上の株主・出資者、政令で定める使用人などが、廃棄物処理法違反等による刑罰や許可取消しから5年を経過していない場合、暴力団員等に該当する場合などは許可を受けられません。

自治体との事前協議(指導要綱)

多くの都道府県・政令市では、積替え保管施設を設ける場合に、指導要綱等に基づく事前協議を求めています。自治体によって内容は異なりますが、次のような手続が含まれることがあります。

  • 施設の位置・構造・保管計画についての事前相談・協議書の提出
  • 関係部署(都市計画、建築、農政、消防など)との調整
  • 周辺住民への説明会の開催や、自治会・隣接地権者の同意書の取得
  • 市町村長の意見聴取

事前協議が整わないと許可申請に進めないため、土地の購入や賃貸借契約、施設工事の前に、必ず申請先の自治体へ相談することが大切です。

申請から許可までの流れ

STEP1:候補地の選定と申請先の確認

積替え保管施設の候補地について、用途地域や市街化調整区域かどうか、農地かどうかなどを確認し、許可権者(都道府県か政令市か)を特定します。

STEP2:自治体への事前相談・事前協議

施設の配置図・構造図・保管計画などを用意して事前相談を行い、必要に応じて事前協議書を提出します。住民説明や同意取得が求められる場合もあります。

STEP3:講習会の受講

JWセンターの講習会を受講し、修了証を取得します。

STEP4:施設の整備

事前協議の内容に沿って、囲い、掲示板、舗装、排水設備などを整備します。

STEP5:許可申請・手数料の納付

申請書、事業計画、施設の図面・写真、土地・建物の権原を証する書類、財務書類などを提出します。手数料の目安は次のとおりです。

申請の種類産業廃棄物特別管理産業廃棄物
新規許可81,000円81,000円
更新許可73,000円74,000円
変更許可71,000円72,000円

※多くの自治体が採用している金額です。手数料は各自治体の条例で定められています。

STEP6:審査・現地確認・許可証の交付

書類審査に加え、積替え保管施設の現地確認が行われるのが一般的です。基準を満たしていることが確認されると許可証が交付されます。

申請に必要な主な書類(積替え保管なしの書類に追加されるもの)

  • 積替え保管施設の位置図・案内図、周辺見取図
  • 施設の平面図・構造図・設備の詳細図、写真
  • 保管する廃棄物の種類・保管量・保管方法を示す書類(保管量の計算書など)
  • 土地・建物の登記事項証明書、賃貸借契約書の写しなど使用権原を証する書類
  • 他法令に関する許可・確認の写し、または適合していることを示す書類
  • 事前協議の結果通知の写し(事前協議が必要な自治体の場合)

このほか、申請書、事業計画、講習会修了証、車検証・車両写真、定款、財務諸表、納税証明書、役員等の住民票、誓約書など、積替え保管なしの許可と同様の書類も必要です。

許可取得後の義務と手続

  • 保管基準の遵守:保管量の上限、掲示板の表示、飛散・流出防止措置などを継続して守ります。
  • 施設の変更:積替え保管施設の位置・構造・保管量などを変更する場合は、変更許可または変更届が必要です。事前協議が再度必要になることもあります。
  • 変更届:役員・住所・車両などの変更は、原則として変更の日から10日以内(登記事項証明書の添付が必要な場合は30日以内)に届け出ます。
  • 運搬車両の表示・書面の携帯、マニフェストの運用、帳簿の記載と5年間保存など、収集運搬業者としての義務も同様に適用されます。
  • 更新:許可の有効期間は5年(優良認定の場合は7年)です。

積替え保管を含む許可を行政書士に依頼する5つのメリット

1. 候補地の段階から許可の可否を判断できる

用途地域、市街化調整区域、農地などの土地利用規制や、許可権者がどこになるかを、土地の契約前に確認します。「借りたのに使えない」というリスクを避けられます。

2. 複雑な事前協議・関係部署との調整を代行

指導要綱に基づく協議書の作成、関係部署との調整、住民説明に向けた資料づくりなど、時間のかかる手続をサポートします。

3. 施設基準に沿った計画づくり

囲い・掲示板・排水設備・保管量の計算など、保管基準を満たす施設計画を、図面や計算書の作成とあわせて整えます。

4. 他法令の手続とまとめて対応

都市計画法、建築基準法、農地法など、施設設置に伴う他法令の手続についても、専門家と連携しながら一体的に進めます。

5. 許可後の変更・更新、処分業許可まで継続サポート

施設の拡張や保管品目の追加、5年ごとの更新、将来の中間処理(処分業)許可の取得まで、事業の成長に合わせて継続的にサポートします。

よくある質問

Q. 自社の資材置き場に一時的に廃棄物を置くだけでも、積替え保管の許可は必要ですか?

A. 他社から委託を受けた産業廃棄物を運搬途中で荷下ろしして保管する場合は、積替え保管を含む許可が必要です。許可なく保管すると、無許可営業や不適正保管として処分の対象になるおそれがあります。

Q. 積替え保管施設が政令市にある場合、都道府県の許可も必要ですか?

A. 積替え保管施設が政令市・中核市等の区域内にある場合は、その市長の許可が必要です。その市以外の積込み地・荷下ろし地については、それぞれの都道府県の許可(積替え保管なし)が必要になります。

Q. 保管できる量に上限はありますか?

A. 原則として、1日当たりの平均搬出量の7日分以内とされています。品目や自治体の運用により異なる場合があるため、申請先に確認しましょう。

Q. 許可までどのくらいかかりますか?

A. 事前協議の有無や内容によって大きく異なり、数か月から1年以上かかることもあります。施設の整備期間も含めて、余裕を持った計画が必要です。

積替え保管を含む収集運搬業許可は全国建設業許認可サポートセンターにご相談ください

全国建設業許認可サポートセンターでは、積替え保管を含む産業廃棄物収集運搬業許可をはじめ、積替え保管なしの収集運搬業許可、処分業許可、建設業許可など、建設業に関わる許認可手続をトータルでサポートしています。

「この土地で積替え保管ができるか知りたい」「事前協議の進め方が分からない」「複数の都道府県の許可もまとめて取りたい」といったご相談にも丁寧に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。

積替え保管を行わない通常の収集運搬業許可については、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)とは?全国共通の要件・必要書類・申請の流れで詳しく解説しています。

※本記事は廃棄物処理法令および各自治体の公表資料をもとに、全国に共通する一般的な内容をまとめたものです(2026年10月時点)。許可権者、事前協議の要否、施設基準の運用、手数料、様式などは自治体ごとに異なりますので、計画段階で必ず申請先の自治体にご確認ください。

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