産業廃棄物処分業許可(中間処理・最終処分)とは?全国共通の要件・処理施設設置許可・申請の流れと行政書士に依頼するメリット

産業廃棄物処分業(中間処理・最終処分)許可申請ガイド(全国共通) 6. 関連する許認可

がれき類や木くずを破砕してリサイクル材にする、汚泥を脱水する、廃プラスチック類を焼却する、廃棄物を埋め立てる――このように、他人の産業廃棄物を業として処分するためには、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づく「産業廃棄物処分業の許可」が必要です。

処分業の許可は、産業廃棄物関係の許可の中でも最も審査が厳しく、施設の計画段階から自治体との協議が必要になるケースがほとんどです。本記事では、全国に共通する内容として、中間処理と最終処分の違い、処分業許可と処理施設設置許可の関係、許可要件、申請の流れ、許可後の義務を整理し、あわせて行政書士に依頼するメリットをご紹介します。

中間処理と最終処分の違い

区分内容主な処理方法・施設の例
中間処理廃棄物の減量化・安定化・無害化・再資源化を行う処理破砕、選別、圧縮、切断、焼却、脱水、乾燥、中和、油水分離、溶融、堆肥化など
最終処分廃棄物を最終的に埋め立てる処分安定型最終処分場、管理型最終処分場、遮断型最終処分場

建設業者が取得を検討することが多いのは、がれき類・コンクリートくずの破砕による再生砕石の製造や、木くずの破砕・チップ化、混合廃棄物の選別などの中間処理です。

最終処分場の種類

  • 安定型最終処分場:がれき類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類、金属くず、ゴムくずの「安定型5品目」を埋め立てる処分場
  • 管理型最終処分場:汚泥、燃え殻、木くずなど、浸出水の処理が必要な廃棄物を埋め立てる処分場(遮水工・浸出水処理設備が必要)
  • 遮断型最終処分場:有害物質を基準以上に含む廃棄物を、外部と完全に遮断して埋め立てる処分場

処分業許可が必要なケース

他人(排出事業者)から委託を受けて、産業廃棄物を業として処分する場合に処分業許可が必要です。自社が排出した廃棄物を自社の施設で処理する場合(自己処理)は処分業許可は不要ですが、施設の規模によっては次に説明する「処理施設設置許可」が必要になります。

許可は、処分を行う施設の所在地を管轄する都道府県知事(施設が政令市・中核市等の区域内にある場合はその市長)から受けます。

申請の種類産業廃棄物特別管理産業廃棄物
新規許可100,000円100,000円
更新許可94,000円95,000円
変更許可92,000円95,000円

※処分業許可の申請手数料として多くの自治体が採用している金額です。手数料は各自治体の条例で定められています。処理施設設置許可の手数料は別に必要です。

処分業許可と「処理施設設置許可」の関係

処分業を営むには「処分業許可」(廃棄物処理法第14条)が必要ですが、それとは別に、一定の種類・規模以上の処理施設を設置する場合には「産業廃棄物処理施設設置許可」(同法第15条)も必要です。

許可許可の対象主なポイント
処分業許可(第14条)「人・事業者」に対する許可講習会、経理的基礎、欠格要件、施設・能力の基準など
処理施設設置許可(第15条)「施設」に対する許可技術上の基準、生活環境影響調査、告示・縦覧、関係市町村長の意見聴取、専門家の意見聴取など

設置許可が必要となる施設には、たとえば次のようなものがあります(施設の種類と処理能力で判断されます)。

  • 木くず・がれき類の破砕施設(1日当たりの処理能力が5トンを超えるもの)
  • 汚泥の脱水施設(1日当たりの処理能力が10㎥を超えるもの)
  • 廃プラスチック類の破砕施設(1日当たりの処理能力が5トンを超えるもの)
  • 産業廃棄物の焼却施設(処理能力等が一定以上のもの)
  • 最終処分場(すべての規模)

設置許可が必要な施設では、生活環境影響調査の実施や、申請内容の告示・縦覧、住民等からの意見書の受付などの手続があるため、許可までに長い期間がかかります。設置許可が不要な小規模施設でも、自治体の条例・指導要綱で届出や事前協議が求められることがあります。

処分業許可の主な要件

要件1:講習会を修了していること

公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の講習会(処分課程)を受講し、修了証を取得します。法人は代表者・役員(監査役を除く)または政令で定める使用人、個人は本人または政令で定める使用人が受講します。

要件2:処理施設が基準を満たしていること

処分する廃棄物の種類・量に応じた処理施設を有し、その施設が技術上の基準を満たしていることが必要です。破砕施設であれば粉じん・騒音・振動の防止措置、保管場所の囲い・掲示板、排水処理設備などが求められます。

要件3:技術的能力があること

処理施設の維持管理を的確に行える知識・技能が求められます。施設の種類によっては技術管理者の設置が必要で、一定の資格や実務経験を有する者を選任します。

要件4:経理的基礎があること

施設の建設・維持管理には多額の資金が必要となるため、財務諸表や納税証明書に加え、資金調達計画や収支見込みなども審査されます。債務超過の場合は、経営診断書などの追加資料が求められることがあります。

要件5:欠格要件に該当しないこと

申請者、役員、5%以上の株主・出資者、政令で定める使用人などが、廃棄物処理法違反等による刑罰や許可取消しから5年を経過していない場合、暴力団員等に該当する場合などは許可を受けられません。

要件6:土地利用・他法令への適合

施設用地の使用権原に加え、都市計画法(用途地域・市街化調整区域・開発許可)、建築基準法(第51条の都市計画上の位置の決定・許可を含む)、農地法、森林法、騒音規制法・振動規制法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法など、多くの法令との適合が確認されます。

申請から許可までの流れ

STEP1:事業計画と候補地の検討

処分する廃棄物の種類・量、処理方法、再生品の販路などの事業計画を立て、候補地の土地利用規制を確認します。

STEP2:自治体への事前相談・事前協議

多くの自治体では、指導要綱等に基づく事前協議が必要です。施設計画書の提出、関係部署との調整、住民説明会の開催、周辺住民・自治会・隣接地権者の同意取得などが求められることがあります。

STEP3:処理施設設置許可(必要な場合)

設置許可が必要な施設では、生活環境影響調査を行い、設置許可申請を行います。申請書の告示・縦覧、関係市町村長や専門家の意見聴取を経て審査されます。

STEP4:施設の建設・使用前検査

許可内容に沿って施設を建設し、設置許可施設の場合は使用前検査を受けます。

STEP5:講習会の受講と処分業許可申請

処分課程の講習会を修了し、処分業許可を申請します。施設の現地確認を経て許可証が交付されます。

事前協議から許可取得までは、施設の規模や地域の状況によって1年から数年かかることも珍しくありません。

申請に必要な主な書類

  • 許可申請書、事業計画書(処分する廃棄物の種類・量、処理工程、再生品の用途など)
  • 講習会(処分課程)の修了証の写し
  • 処理施設の位置図・配置図・構造図・設備の仕様書、処理能力の計算書、写真
  • 施設の維持管理計画、技術管理者に関する書類
  • 土地・建物の登記事項証明書、賃貸借契約書など使用権原を証する書類
  • 処理施設設置許可証や他法令の許可・確認の写し、事前協議の結果通知
  • 定款、直近3年分の財務諸表、納税証明書、資金計画書
  • 役員・株主等の住民票の写し、欠格要件に該当しない旨の誓約書

許可取得後の義務と手続

  • 処理基準の遵守:処分の方法、保管量の上限(中間処理の場合は原則として1日当たりの処理能力の14日分以内など)、保管基準などを守ります。
  • マニフェスト:処分終了時の報告(B2票・D票の返送、電子マニフェストの報告)を期限内に行います。
  • 帳簿の記載・保存:処分の実績を帳簿に記載し、5年間保存します。
  • 維持管理と記録の公表:設置許可施設では、維持管理の記録を作成・閲覧に供すること、定期検査を受けることなどが義務付けられています。
  • 変更許可・変更届:処理品目・処理方法・施設の変更は変更許可が必要です。役員・住所などの変更は、原則として変更の日から10日以内(登記事項証明書の添付が必要な場合は30日以内)に届け出ます。
  • 更新:許可の有効期間は5年(優良認定の場合は7年)です。

処分業許可を行政書士に依頼する5つのメリット

1. 計画段階から許可取得までの道筋を描ける

処分業許可、処理施設設置許可、事前協議、他法令の手続と、必要な手続を整理し、全体のスケジュールを立てます。土地の取得や施設の発注前に、許可の見通しを確認できます。

2. 事前協議・住民説明の準備をサポート

指導要綱に基づく協議書の作成、関係部署との調整、住民説明会の資料作成など、時間と労力のかかる手続を支援します。

3. 施設計画・処理能力の書類を整える

処理工程図、処理能力の計算書、保管量の計算、維持管理計画など、審査で重視される技術的な書類を、設計業者・メーカーと連携して整えます。

4. 他法令の専門家と連携して一体的に進める

都市計画法・建築基準法・農地法などの手続や、生活環境影響調査の実施について、関係する専門家と連携しながら一体的に進めます。

5. 収集運搬業・建設業許可まで含めたトータルサポート

処分業とあわせて必要になる収集運搬業許可(積替え保管あり・なし)、建設業許可、解体工事業登録など、事業全体の許認可をまとめてサポートします。

よくある質問

Q. 自社の工事で出たコンクリートくずを自社で破砕して再利用する場合も、処分業許可は必要ですか?

A. 自社が排出事業者として自ら処理する場合は処分業許可は不要です。ただし、破砕施設の処理能力が1日5トンを超えるなど一定規模以上の場合は、処理施設設置許可が必要になります。また、他社の廃棄物を受け入れる場合は処分業許可が必要です。

Q. 処分業許可と処理施設設置許可は、どちらを先に取りますか?

A. 設置許可が必要な施設の場合、一般的には事前協議を経て設置許可を取得し、施設を建設・使用前検査を受けたうえで処分業許可を取得する流れになります。自治体によっては並行して審査する運用もあります。

Q. 許可が出るまでどのくらいかかりますか?

A. 小規模な中間処理施設でも半年から1年程度、設置許可が必要な施設や最終処分場では数年かかることもあります。早い段階で自治体へ相談することが重要です。

Q. 処分業許可があれば、廃棄物を自社で運搬することもできますか?

A. 処分業許可だけでは他社の廃棄物を運搬することはできません。排出事業者の現場から処分施設まで運ぶ場合は、別途収集運搬業許可が必要です。

産業廃棄物処分業許可は全国建設業許認可サポートセンターにご相談ください

全国建設業許認可サポートセンターでは、産業廃棄物処分業(中間処理・最終処分)の許可をはじめ、収集運搬業許可、建設業許可、解体工事業登録など、建設業に関わる許認可手続をトータルでサポートしています。

「この土地で破砕施設を設置できるか知りたい」「事前協議から許可までの進め方が分からない」「収集運搬業許可とまとめて相談したい」といったご相談にも丁寧に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。

収集運搬業の許可については、積替え保管なしの収集運搬業許可と積替え保管を含む収集運搬業許可の記事で詳しく解説しています。

※本記事は廃棄物処理法令および各自治体の公表資料をもとに、全国に共通する一般的な内容をまとめたものです(2026年10月時点)。設置許可が必要な施設の範囲、事前協議の要否、技術管理者の要件、手数料、様式などは施設の種類や自治体ごとに異なりますので、計画段階で必ず申請先の自治体にご確認ください。

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