建設業許可の有効期間は5年です。引き続き営業するには、有効期間が満了する日の30日前までに更新申請をしなければなりません(建設業法3条3項、施行規則5条)。更新しないまま満了日を過ぎると許可は失効し、同じ許可を「更新」することはできず、新規申請からやり直しになります。
この記事では、更新は何年ごとか、満了日はいつか、30日前を過ぎてしまったらどうなるか、更新の手数料や事前に済ませておくべき届出など、更新でつまずきやすいポイントを公的資料をもとに整理します。
建設業許可の更新は何年ごと?有効期間と満了日の考え方
建設業許可は5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います(建設業法3条3項)。「毎年更新」が必要なわけではありませんが、後で説明するとおり、毎年の決算変更届は別に必要です。
満了日は「許可日に対応する日の前日」
兵庫県のQ&Aでは、有効期間の満了日は5年後の許可日に対応する日の前日であり、満了日が閉庁日でも変わらないと説明されています。東京都の手引きでも、許可日が6月5日なら満了日は6月4日という例が示されています。
| 許可日 | 有効期間満了日 | 更新申請の期限(30日前)の目安 |
|---|---|---|
| 2022年6月5日 | 2027年6月4日 | 2027年5月5日ごろ |
正確な満了日は、許可通知書に記載されています。複数の業種を別々の日に取得している場合は業種ごとに満了日が異なるため、通知書を並べて確認しておきましょう。
更新後の有効期間
更新された許可の有効期間は、従前の許可の満了日の翌日から起算されます(建設業法3条5項)。早めに申請しても、5年の期間が短くなることはありません。
更新申請はいつから・いつまで?受付期間は都道府県により異なる
法令上の期限は「満了日の30日前まで」ですが、受付開始時期は許可行政庁ごとに定められています。
| 許可行政庁(例) | 受付期間 |
|---|---|
| 東京都 | 満了日の2か月前から30日前まで |
| 神奈川県・兵庫県・愛知県・長野県 | 満了日の3か月前から(期限は30日前まで) |
| 関東地方整備局(大臣許可) | 満了の約3か月前から(期限は30日前まで) |
更新と同時に業種追加や般・特新規を一つの申請で行いたい場合は、さらに早い期限が設けられていることがあります。たとえば関東地方整備局は満了日の6か月前まで、千葉県は60日前まで、兵庫県は残り期間が1か月半以上あるうちの相談・申請を求めています。業種追加を考えている方は特に早めに動きましょう。
30日前を過ぎた・期限切れになったらどうなる?
30日前を過ぎたが、満了日前の場合
施行規則上の期限は30日前ですが、満了日前であれば受け付ける行政庁もあります。たとえば千葉県のQ&Aでは、30日前を過ぎた場合は理由を付記した始末書の添付が必要とされています。取扱いは許可行政庁により異なるため、30日前を過ぎたと気づいたら、すぐに許可行政庁へ電話で確認してください。1日でも早く書類をそろえることが最優先です。
満了日を過ぎた場合
満了日を1日でも過ぎると許可は失効します。神奈川県は「いかなる場合でも更新できない」とし、新規申請となって許可番号も別のものに切り替わると案内しています。兵庫県・長野県・千葉県も、失効後は新規申請が必要としています。
失効すると、新規許可が下りるまでの間は軽微な建設工事(建築一式以外は1件500万円未満など)しか請け負えません。また、新規申請では知事許可で9万円の手数料がかかり、財産的基礎などの確認資料も改めて必要になります。
更新申請中に満了日が来ても許可は有効
期限内に更新申請をしていれば、審査が満了日までに終わらなくても、処分がされるまでの間は従前の許可が引き続き有効です(建設業法3条4項)。千葉県のQ&Aでも、審査中は法律上、更新前の許可が引き続き有効となる取扱いであると説明されています。
関東地方整備局の手引きでは、万一更新が不許可となった場合でも、不許可処分までに締結した請負契約の工事は継続して施工できる旨(建設業法29条の3第1項)が案内されています。とはいえ、これは申請が期限内に受理されていることが前提です。
更新の手数料と審査期間
更新の手数料は、知事許可・大臣許可とも5万円です。知事許可の納付方法は都道府県により異なり、たとえば愛知県・兵庫県は収入証紙での納付と案内しています。大臣許可は収入印紙です。
審査期間も行政庁により異なります。東京都の手引きでは更新の標準処理期間は25日(閉庁日を除く)とされ、令和8年4月1日以降に受け付ける更新申請については、審査が終わり次第すみやかに許可通知書を発送する運用に変わったと案内されています(審査期間の目安は概ね1か月)。
行政書士に依頼する場合は、上記の法定手数料とは別に報酬がかかります。
更新前に必ず確認:決算変更届・変更届の未提出
更新でもっとも多いつまずきが、毎年の決算変更届(事業年度終了届)や変更届の出し忘れです。多くの行政庁で、これらが未提出のままでは更新申請を受け付けない取扱いになっています。
- 鹿児島県:決算等の変更届・変更届が提出されていない場合は更新申請できない旨を明記
- 沖縄県:年度報告を提出していないと5年ごとの更新手続きができない
- 長野県:更新申請時には過去5年分の決算変更届が提出されている必要がある
- 兵庫県:提出を怠って更新を迎えた場合は過年度分をすべて提出する必要がある
- 東京都:変更届が未提出だと更新申請など他の申請手続ができない
5年分の決算変更届をまとめて作るのはかなりの作業量です。更新の半年ほど前に、過去の届出控えがそろっているかを確認しておくと安心です。決算変更届の書き方は決算変更届の記事、変更届の期限は変更届の種類と期限一覧をご覧ください。
許可要件を引き続き満たしているか
更新時も、経営業務の管理体制、営業所技術者(旧:専任技術者)、社会保険の届出、欠格要件に該当しないことなどの要件を満たしている必要があります。財産的基礎については、兵庫県は一般建設業の更新では原則として改めて確認書類は不要としていますが、特定建設業は更新時に財産要件を一つでも満たさないと許可を受けられないとしています。必要書類や確認資料は許可行政庁の手引きで指定されますので、最新版を確認してください。
よくある質問
Q. 更新のお知らせが来なかったのですが、期限は延びますか?
延びません。東京都のように満了前に案内を送付する行政庁もありますが、期限は法令で決まっているため、通知の有無にかかわらず自分で管理する必要があります。
Q. 30日前を過ぎてしまいました。もう間に合いませんか?
満了日前であれば、始末書等を添付して受け付ける行政庁があります(例:千葉県)。取扱いは行政庁により異なるため、まず許可行政庁に連絡し、書類を急いでそろえてください。
Q. 電子申請(JCIP)で更新できますか?
国土交通省の建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)で許可申請ができ、確認書類の取得・添付が簡素化されます。九州地方整備局の案内では、利用にはデジタル庁が発行するGビズIDが必要とされています(GビズIDの記事)。対応状況は許可行政庁の案内も確認してください。
Q. 満了日が土日祝日の場合、満了日はずれますか?
兵庫県のQ&Aでは、満了日が閉庁日でも満了日は変わらないとされています。申請期限が閉庁日に当たる場合の扱いは行政庁の案内を確認してください(関東地方整備局は直後の開庁日までに提出するよう案内)。
まとめ
- 有効期間は5年。満了日は5年後の許可日に対応する日の前日。
- 更新申請は満了日の30日前まで。受付開始は2〜3か月前からなど行政庁により異なる。
- 30日前を過ぎても満了日前なら始末書等で受け付ける行政庁もあるが、満了日を過ぎると失効し新規申請。
- 期限内に申請していれば、処分まで従前の許可は有効(法3条4項)。
- 決算変更届・変更届が未提出だと更新を受け付けない行政庁が多い。
更新手続きのご相談
「決算変更届を何年分か出していない」「満了日が迫っている」といった状況でも、まずは現状を整理することから始められます。金榮国際行政書士事務所では、全国の許可業者さまの更新・決算変更届の作成をサポートしています。料金は料金ページに掲載しています。お急ぎの場合も相談・見積もりページからお気軽にご連絡ください。
参考(公的情報)
- 国土交通省「建設業の許可とは」
- 国土交通省「許可申請の手続き」
- e-Gov法令検索「建設業法」(3条)
- e-Gov法令検索「建設業法施行規則」(5条)
- 兵庫県「建設業許可に係るQ&A」
- 神奈川県「許可後の手続き」
- 千葉県「建設業許可の手引き 付表(よくある質問と回答)」
- 東京都「建設業許可申請・変更の手引」(許可申請の手続)
- 東京都「更新申請に係る許可通知書の発送時期の見直し」
- 関東地方整備局「建設業許可申請・変更の手引き」
- 長野県「許可を受けた後の手続き」
- 鹿児島県「建設業許可を受けた皆様へ」
- 沖縄県「変更届等の届出」
- 愛知県「建設業許可の更新」
- 国土交通省「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」
- 九州地方整備局「建設業許可・経営事項審査における電子申請について」
※本記事は2026年10月時点の公表情報をもとに作成しています。最新の取扱いは許可行政庁の手引き等でご確認ください。


