川口市で農地を資材置場にするには?農地転用の許可・資材保管条例・安行の近郊緑地の届出を行政書士が解説

川口市で農地を資材置場にするには?農地転用の許可・資材保管条例・安行の近郊緑地の届出を行政書士が解説 9. 農地転用・農地法の手続き

川口市の安行・神根・木曽呂のあたりでは、植木畑や農地が資材置場や駐車場に変わっていく光景が珍しくありません。建設業者にとっては、外環道や東北道に近く、資材置場の候補地になりやすいエリアです。

ただし川口市で農地を資材置場にするには、農地法の許可だけでは足りません。令和7年10月からは市の新しい条例で、100㎡を超える資材置場に市長の許可が必要になりました。安行の近郊緑地保全区域では、緑地保全の届出も必要です。この記事では、川口市で農地を資材置場・駐車場として使うときに必要な手続きを、順番に整理します。

川口市の農地転用の基本

項目 市街化区域の農地 市街化調整区域の農地(安行・神根など)
農地法の手続き 4条・5条の届出 4条・5条の許可
許可・受理をするのは 川口市農業委員会 川口市長(4ha以下)
受付 随時(郵送も可) 事前相談は第1水曜、申請は第2水曜が締切
結果まで 受付日から4開庁日後に受理通知書 翌月上旬ごろに許可指令書(30a超は約1週間あと)

川口市は、平成31年4月1日に埼玉県から農地転用の許可権限の移譲を受けています。4ha以下の転用は、3,000㎡を超えるものも含めて申請から許可まで川口市の中で完結します(4haを超える場合は県知事の許可)。また、川口市には農業振興地域がないため、農用地区域(青地)や農振除外の手続きはありません。

市街化調整区域の農地:許可申請の流れ

川口市の市街化調整区域は約728ha(埼玉県、令和6年4月12日現在)で、そのうち約3分の2を安行神根地区(約414ha)と木曽呂地区(約66ha)が占めています。ここにある農地を資材置場や駐車場にするには、農地法の許可が必要です。

  1. 事前予約:川口市農業委員会事務局(第一本庁舎5階)の許可申請の相談は事前予約制です(月・水・金)。
  2. 事前相談:毎月第1水曜日が締切。
  3. 許可申請:毎月第2水曜日が締切。
  4. 農業委員会の会議:原則として毎月最終水曜日。
  5. 許可指令書の交付:翌月上旬ごろ。30aを超える案件は、その約1週間後。

たとえば令和8年度の日程表では、11月は事前相談11月4日・申請11月11日・会議11月25日で、許可指令書の交付予定は12月4日(30a超は12月11日)です。事前相談から数えると、1か月半から2か月ほどを見込んでおくと安心です。

市街化区域の農地:届出は随時受付

市街化区域の農地は、農業委員会への届出で転用できます。川口市は受付が随時で、開庁日の9時から16時30分まで受け付けています。受理通知書は受付日から4開庁日後に受け取れます。郵送で出すこともでき、その場合は到着日が受付日になり、返信用封筒で受理通知書が送られます。

なお、芝第2・第5地区など区画整理の予定地区では、区画整理課の確認書が必要になるなど、地区によって追加の書類があります。

資材置場にするなら:川口市「資材の適正な屋外保管に関する条例」

川口市には、資材置場を規制する独自の条例があります。令和4年7月から「資材置場の設置等の規制に関する条例」(500㎡以上が許可制)が施行されていましたが、令和7年10月1日に「川口市資材の適正な屋外保管に関する条例」に切り替わり、規制が強まりました。

  • 対象:市内全域。区域の面積が100㎡を超える資材置場は、市長の許可が必要(5年ごとに更新)。
  • 手続き:事前相談→事前協議→周辺住民への周知(境界から100m以内の所有者・占有者と町会長)→許可申請(標準処理期間30日)→完了検査→使用開始。
  • 主な基準:許可が必要な資材置場には、高さ1.8m以上3.0m以下の囲いが必要です。500㎡以上の場合は、さらに、幅員4m以上の公道に4m以上接すること、境界と囲いの間に2m以上の空地をとることなどの立地・構造の基準があります。
  • 罰則(令和8年4月1日から):無許可の場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。完了検査前に使った場合は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。
  • 窓口:開発審査課監察係。

工事現場の仮置場など、条例の対象外になるものもありますが、自社の資材置場として継続的に使う土地は対象になると考えておくべきです。農地転用の許可が下りても、条例の許可がなければ資材置場として使えません。農地転用の相談と並行して、早めに開発審査課へ事前相談に行きましょう。

すでに使っている資材置場の届出期限は令和8年3月31日でした。まだ届け出ていない場合は、速やかに届け出るよう市が案内しています。

安行・神根・木曽呂:近郊緑地保全区域の届出

安行・神根・木曽呂地区の多くは、昭和42年に指定された安行近郊緑地保全区域(約580ha)に入っています。この区域では、首都圏近郊緑地保全法にもとづき、次のような行為の前に届出が必要です。

  • 建築物などの新築・改築・増築
  • 60㎡を超える土地の形質の変更(60㎡以下でも、高さ5mを超える法面が生じる切土・盛土)
  • 木竹の伐採、水面の埋立て
  • 屋外での土石・廃棄物・再生資源の堆積

届出先は川口市みどり課保全係です。届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。資材置場の造成や、土砂・資材の堆積は、この届出の対象になりやすい行為です。

また、市の景観計画では、市街化調整区域かつ安行近郊緑地保全区域の資材の堆積に、緑化率25%などの基準があります(500㎡以上の屋外堆積は、工事着手の30日前までに都市計画課へ届出)。

まだある:開発・盛土・雨水の手続き

  • 開発許可:川口市は中核市で、開発許可は市の開発審査課が担当します。市街化調整区域では、面積にかかわらず開発行為と建築行為が許可の対象です。建物を建てる計画は、使える制度(流通業務等施設の基本方針、優良郊外型住宅制度など)にあてはまるかを最初に確認します。
  • 盛土規制法:令和7年5月26日から、市内全域が宅地造成等工事規制区域です。一定規模以上の盛土・切土・土石の堆積には許可が必要です(窓口は開発審査課監察係)。
  • 雨水浸透阻害行為:中川・綾瀬川の流域では、1,000㎡以上の土地を舗装するなど雨水がしみ込みにくくする行為に、川口市長の許可が必要です(河川課)。

つまり、安行・神根の農地を資材置場にする場合、農地転用・資材保管条例・近郊緑地の届出・景観の届出の4つが、ほぼセットで必要になると考えてください。規模によっては、盛土規制法や雨水の許可も加わります。

川口市の農地の今

川口市の農地の半分以上は植木畑で、「安行」は植木の産地として知られています(作目別では植木畑277.2ha、令和3年農地基本台帳)。一方で、市街化調整区域の農地は平成17年から平成27年の10年間で約19%減り、令和7年度の農地基本台帳調査では、対象の農家954戸のうち53.2%が「後継者なし」と答えています。

市は令和4年3月に「安行近郊緑地保全区域(市街化調整区域)将来土地利用方針」をまとめ、緑を伴わない資材置場・駐車場への転用が緑農地の減少や景観の悪化を招いているとしています。資材保管条例の強化も、この流れの中にあります。今後も、緑化や周辺への配慮を求められる方向は続くと考えておくのが現実的です。

川口市で資材置場用地を探すときのチェックリスト

  • □ 登記の地目にかかわらず、現況が農地ではないか(川口市も、現況や課税が農地なら農地法が適用されると案内)
  • □ 市街化区域か、市街化調整区域か
  • □ 安行近郊緑地保全区域、安行武南自然公園の区域に入っていないか
  • □ 面積が100㎡を超えるか(資材保管条例の許可)、500㎡以上か(立地・構造の基準、景観の届出)
  • □ 500㎡以上なら、幅員4m以上の公道に4m以上接しているか
  • □ 盛土・切土や舗装の規模は、盛土規制法・雨水の許可にかからないか
  • □ 次の事前相談(第1水曜)・申請(第2水曜)の締切に間に合うか

よくあるご質問

農地転用の許可が下りれば、すぐに資材置場として使えますか?

使えません。100㎡を超える資材置場は、資材保管条例の許可と完了検査が必要です。安行近郊緑地保全区域内なら、緑地保全の届出もあらかじめ必要です。

川口市で農振除外は必要ですか?

必要ありません。川口市には農業振興地域がないため、農用地区域(青地)もありません。

許可を受けずに資材を置いてしまった土地はどうなりますか?

農地法の違反転用として、工事の停止や原状回復を命じられることがあります。資材保管条例も、令和8年4月から無許可の資材置場に罰則が適用されています。まずは使用を止め、農業委員会と開発審査課に相談してください。

川口市の農地・資材置場の手続きもご相談ください

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、川口市での農地転用の許可・届出について、資材保管条例や近郊緑地の届出との段取りも含めてご相談をお受けしています。川口市の建設業許可については川口市の建設業許可の記事、農地転用の制度全体は農地転用の許可・届出の種類をご覧ください。農地転用のご相談フォームから、土地の所在地と予定している使い方をお知らせください。地番や区域がわからなくても、こちらで調べます。

参考(公的情報)

※この記事は2026年11月時点の川口市・埼玉県の公表資料をもとにしています。条例の基準や受付日程は変わることがあるため、申請前に川口市の各窓口へご確認ください。

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