三郷市・八潮市の農地転用|資材置場・駐車場にする許可と届出、締切日と市の方針を行政書士が解説

三郷市・八潮市の農地転用|資材置場・駐車場にする許可と届出、締切日と市の方針を行政書士が解説 9. 農地転用・農地法の手続き

三郷市と八潮市は、外環道・常磐道・つくばエクスプレスが通り、物流施設や資材置場の需要が高いエリアです。どちらの市も、市街化調整区域の農地が資材置場・駐車場・残土置場に変わっていくことを課題に挙げていて、市の方針やパトロールで対応を強めています。

この記事では、三郷市・八潮市で農地を資材置場や駐車場、物流用地にするときの手続きを、両市の違いがわかるように整理します。農地転用の制度全体については農地転用の許可・届出の種類をご覧ください。

三郷市・八潮市の手続き早見表

三郷市 八潮市
区域区分(令和6年4月) 市街化区域1,509ha/市街化調整区域1,504ha 市街化区域1,308ha/市街化調整区域494ha
調整区域の転用の許可権者 埼玉県知事 埼玉県知事
申請先 三郷市農業委員会事務局 農地係 八潮市農業委員会 農地係
許可申請の締切 毎月10日(閉庁日なら前の開庁日)。窓口での事前相談が必須 毎月13日(土日祝日なら前日)
許可書の交付 申請日の翌月下旬ごろ 30a以下は翌月中旬以降、30a超は翌月下旬以降
市街化区域の届出 随時受付。受理書は申請日からおおむね2週間後 受理から原則6日後に受理通知書
農用地区域(青地) なし(農振除外の手続きは生じない) なし(同左)

三郷市・八潮市は、県の「農業振興地域を有していない県南部の市」に含まれており、農用地区域(青地)がありません。越谷市などで問題になる農振除外を待つ必要がない点は、事業のスケジュールを組むうえで大きな違いです。一方、両市とも農地転用の許可権限は県から移譲されておらず、調整区域の農地転用は埼玉県知事の許可です。申請は各市の農業委員会に出し、農業委員会が意見を付けて県に送ります。

市街化調整区域の農地:許可申請の流れ

  1. 事前相談:三郷市は窓口での事前相談が必須です。八潮市も、締切直前の持ち込みは避け、早めに相談しましょう。
  2. 許可申請:三郷市は毎月10日、八潮市は毎月13日が締切。
  3. 農業委員会の総会:両市とも毎月25日前後(三郷市の令和8年度は、11月25日、12月23日など)。
  4. 県知事の許可:県の標準処理期間は、農業委員会の意見書の送付まで15日(県農業会議に意見を聴く場合は20日)、県の処分まで10日です。

締切から許可書を受け取るまで、おおむね1か月半を見込んでおくと安心です。三郷市の令和8年8月の総会では、5条の申請10件がすべて第2種農地で、住宅・店舗・駐車場などの用途でした。その中には「駐車場・ストックヤード用地」の案件もあり、審議の中で盛土規制法との関係が話題になっています。資材や土砂を置く計画では、盛土規制法の手続きも同時に確認されると考えておきましょう。

八潮市の農業委員会のページには、駐車場・資材置場用の添付書類の様式が用意されています。資材置場の申請では、必要な面積の根拠(保有している重機や資材の量など)を説明する書類が求められるのが一般的です。

三郷市:産業振興地区と乱開発の抑止

三郷市は、市域の約半分が市街化調整区域です。市はこの区域の土地利用について、次のような方針を出しています。

産業振興地区運用方針(令和3年9月策定、令和12年度まで)

目的に「残土置場や資材置場などの無秩序な広がりを抑える」ことを明記し、幹線道路沿いに物流施設などを計画的に誘導する方針です。

地区 指定道路 面積
三郷流山線沿道 三郷流山線(幅員27m) 約46.0ha
新和吉川線沿道 新和吉川線(幅員27m) 約19.7ha
草加三郷線沿道 草加三郷線(幅員22m) 約15.0ha

範囲は指定道路から概ね250m以内で、道路の供用開始後に、区画整理・地区計画・区域指定などの手法で事業を提案する仕組みです。誘導するのは流通業務施設、道の駅やバスターミナルなどの交通機能、農業関連施設で、資材置場は誘導の対象ではありません。また、市の開発許可の審査基準(34条12号の工業・流通業務の区域)でも、1ha以上(市の施行規則で定める下限)とされ、資材置場の基準はありません。

乱開発抑止基本方針(令和3年3月施行)

三郷北部地区の西側(約15.64ha)を重点抑止エリアとし、資材置場・残土置場を想定して毎年11月ごろに一斉パトロールを行っています。三郷北部地区(約23.1ha)は土地区画整理で市街化区域に編入され、令和8年7月に換地処分が公告されました。周辺の調整区域では、無許可の資材置場がとりわけ厳しく見られていると考えておくべきです。

三郷市の都市計画マスタープラン(案の公表資料)でも、農地が資材置場に転用されている箇所について、周辺環境との調和と営農環境の維持に向けた検討を行うとしています。

八潮市:北部の物流拠点と「資材置場として貸して」への注意

八潮市の市街化調整区域は、八條と鶴ケ曽根の一部です(八潮市都市計画マスタープラン)。市の都市計画マスタープランは、県道平方東京線や八潮団地通り沿いの調整区域に資材置場・駐車場が点在しているとしたうえで、建物を伴わない資材置場や駐車場は都市計画法で規制しきれないため、規制・誘導の方策を検討するとしています。

北部拠点まちづくり推進地区

八潮市は、市北部の市街化調整区域で産業施設の誘導を進めています。令和7年3月に民間事業者とパートナー協定を結び、令和8年8月に整備計画を策定しました。整備計画では、物流施設のエリアを令和8〜11年度で想定しています。外環道の(仮称)八潮スマートICも、令和6年3月に都市計画の手続きが完了しています(アクセス道路は大字八條内)。

こうした計画的な開発は、市の方針に沿って大規模に進められるもので、個別の農地を資材置場にするのとは別の話です。周辺の農地の土地利用は、今後さらに注目されると考えられます。

農業委員会からの注意喚起

八潮市農業委員会は、「草刈りして返すから、一時的に資材置場として貸してほしい」と持ちかけ、手続きをしないまま大量の土砂を積む事例が出ているとして、土地所有者に注意を呼びかけています(令和8年6月)。こうした使い方は違反転用で、土地所有者も原状回復を求められることがあります。正規に資材置場を借りたい建設業者にとっても、許可を取って借りることを最初から地主に説明することが、信頼につながります。

市街化区域の農地:届出の進め方

市街化区域の農地は、農業委員会への届出で転用できます。三郷市は随時受付で、受理書は申請日からおおむね2週間後、八潮市は受理から原則6日後に受理通知書が交付されます。どちらも、届出を受理した書面を受け取る前に工事を始めないようにしてください。

市街化区域には生産緑地も多く残っています(三郷市168地区・29.6ha、令和2年3月現在。八潮市の特定生産緑地は約120地区・約18.25ha)。生産緑地は、買取り申出と行為制限の解除が済むまで転用できません。

開発許可・盛土規制法もセットで確認する

  • 開発許可:三郷市・八潮市とも、県の条例で開発許可の権限の一部が市に移譲されています。窓口は三郷市が開発指導課、八潮市が都市計画課開発係です。三郷市では、市街化調整区域の建築には敷地面積に関係なく適合証明が必要とされています。八潮市は「八潮市みんなでつくる美しいまちづくり条例」で、11号・12号の区域を定めています。
  • 盛土規制法:埼玉県では令和7年7月1日から規制が始まっています(三郷市は市全域が宅地造成等工事規制区域)。土石を一時的に堆積する場合、「高さ2m超かつ面積300㎡超」または「地盤との高低差が30cmを超える部分が500㎡超」なら、県知事の許可が必要です。

資材置場の計画では、「農地転用の許可」「盛土規制法の許可」「開発の手続き」の3つを、同じスケジュールの中で進めるのが基本です。

三郷・八潮で農地を使うときのチェックリスト

  • □ 土地は市街化区域か、市街化調整区域か
  • □ 生産緑地に指定されていないか
  • □ 次の締切(三郷市は毎月10日、八潮市は毎月13日)に間に合うか。三郷市は事前相談を済ませたか
  • □ 資材置場の面積の根拠(重機・資材の量)を説明できるか
  • □ 土砂の堆積や盛土が、盛土規制法の許可の規模にかからないか
  • □ 建物を建てる計画なら、開発許可・適合証明の見込みはあるか
  • □ 地主に、許可を取ってから使うことを説明したか

よくあるご質問

三郷市・八潮市で農振除外は必要ですか?

必要ありません。両市には農用地区域(青地)がないため、調整区域でも農地転用の許可申請から始められます。

許可書はいつもらえますか?

三郷市は申請日の翌月下旬ごろ、八潮市は30a以下なら翌月中旬以降、30aを超える場合は翌月下旬以降です。締切を1日でも過ぎると、1か月遅れると考えてください。

産業振興地区の中なら、資材置場の許可が取りやすいですか?

そうとは限りません。三郷市の産業振興地区は、物流施設などを計画的に誘導するための仕組みで、資材置場は誘導の対象ではありません。むしろ、資材置場の無秩序な広がりを抑えることが目的の一つです。

三郷市・八潮市の農地転用もご相談ください

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、三郷市・八潮市の農地転用の許可・届出について、盛土規制法や開発の手続きとの段取りも含めてご相談をお受けしています。両市の建設業許可については三郷市の建設業許可の記事、八潮市の建設業許可の記事もご覧ください。農地転用のご相談フォームから、土地の所在地と予定している使い方をお知らせください。地番や区域がわからなくても、こちらで調べます。

参考(公的情報)

※この記事は2026年11月時点の三郷市・八潮市・埼玉県の公表資料をもとにしています。締切日や必要書類は変わることがあるため、申請前に各市の農業委員会へご確認ください。

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