草加市の農地転用|市街化区域の届出・生産緑地の解除・柿木の許可を行政書士が解説

草加市の農地転用|市街化区域の届出・生産緑地の解除・柿木の許可を行政書士が解説 9. 農地転用・農地法の手続き

草加市で「畑を駐車場にしたい」「相続した田んぼに家を建てたい」「資材置場を借りたいが、候補地が農地だった」という相談は少なくありません。草加市は市域のほとんどが市街化区域で、市街化調整区域は柿木町と青柳八丁目の一部だけです。そのため、農地転用の多くは「許可」ではなく「届出」で進みます。一方で、市街化区域の農地の多くは生産緑地で、こちらは届出の前に別の手続きが必要です。

この記事では、草加市で農地を農地以外に使うときの手続きを、場所ごとに整理します。農地転用の制度全体については農地転用の許可・届出の種類の記事にまとめています。

草加市の農地は3つに分けて考える

どこの農地か 必要な手続き 窓口
市街化区域の農地(生産緑地以外) 農地法4条・5条の届出 草加市農業委員会
市街化区域の生産緑地 買取り申出→行為制限の解除→そのあと届出 都市計画課(解除まで)、農業委員会(届出)
市街化調整区域(柿木町・青柳八丁目の一部)の農地 農地法4条・5条の許可 草加市農業委員会

草加市の区域区分は、市街化区域2,502ha、市街化調整区域244haです(埼玉県、令和6年4月12日現在)。なお、草加市の地域計画では、農振法の農用地区域(いわゆる青地)の農地面積は0とされています。他の市でよく問題になる「農振除外」は、草加市では通常出てこない手続きです。

市街化区域の農地:届出の進め方

市街化区域にある農地は、転用する前に草加市農業委員会へ届け出れば、農地法の許可はいりません。草加市の届出の主なルールは次のとおりです。

  • 窓口:草加市農業委員会事務局(市役所本庁舎6階)。窓口への持参のみで、郵送はできません。手数料はかかりません。
  • 締切日:毎月6日・16日・26日(土日祝日の場合は前の開庁日)。締切日に出すときは正午までです。年末年始は別の日程になります。
  • 交付まで:受付締切日から1週間程度で、届出を受理した書面が交付されます。
  • 部数:4条(自分の農地を転用)の届出書は2部、5条(売買・賃貸して転用)の届出書は3部。

主な添付書類

  • 土地の登記事項証明書(全部事項、3か月以内の原本。インターネットで取得したものは不可)
  • 案内図(住宅地図の写しに申請地を赤で記入)
  • 公図(区画整理地では仮換地証明書で代える)
  • 建物配置図(建物を建てる場合)または土地利用計画図(駐車場・資材置場の場合)
  • 該当する場合:委任状、住民票の写し、排水承諾書の写し(川柳・笹塚の農地管理組合の区域)、賃貸借していた農地の解約通知書の写し など

届出は許可に比べて簡単ですが、届出をせずに駐車場や資材置場にすれば違反転用です。工事を請け負う側も、受理を示す書面の写しを確認してから着工するようにしましょう。

生産緑地:届出の前に「行為制限の解除」が必要

草加市では、市街化区域の農地のうち約62%が生産緑地です(平成31年、草加市都市農業振興基本計画)。生産緑地は、建物を建てたり、土地を造成したりすることが制限されているため、そのままでは届出をしても駐車場や住宅にできません。

解除までの流れ

  1. 都市計画課に事前相談
  2. 市長に買取りを申し出る(指定から30年が経っていて特定生産緑地になっていない場合、または主たる従事者が亡くなった・農業を続けられなくなった場合)
  3. 市が1か月以内に、買い取るかどうかを回答
  4. 買い取らない場合、農業委員会が農業者へのあっせんを行う
  5. あっせんが成立しないと、申出から3か月で行為制限が解除される
  6. 解除後に、農地法の届出をして転用する

主たる従事者が亡くなった場合などに使う「主たる従事者証明書」は農業委員会が発行します(締切は毎月6日、原則その月の末日に交付、手数料1部200円)。

相続をきっかけに生産緑地を手放すか続けるかを決める場合は、相続税の納税猶予との関係も大きく、税理士への相談が欠かせません。解除できるかどうか、いつ解除されるかが決まらないうちは、工事の契約日を確定させないのが安全です。

市街化調整区域(柿木町・青柳):許可が必要

柿木町全域と青柳八丁目の一部は市街化調整区域で、ここの農地を転用するには農地法4条・5条の許可が必要です。埼玉県は草加市に農地転用の許可権限を移譲しているため、4ha以下の転用は草加市が許可します(4haを超える場合は県知事)。

  • 申請先・締切:草加市農業委員会事務局へ持参。締切は毎月6日(土日祝日なら前日)。
  • 許可の目安:翌月中旬ごろに交付。標準処理期間は、農地が30a以下なら25日間、30aを超える場合は30日間とされています。
  • 部数:5条の申請書は4部、4条の申請書は3部。

届出よりも書類が増える

  • 都市計画図、土地利用計画図
  • 排水承諾書(笹塚・川柳・柿木町の農地管理組合)、土地改良区の意見書
  • 見積書、残高証明書または融資証明書、資金調達計画書、転用理由書
  • 資材置場の場合は「資材置場の設置に係る資料」、駐車場の場合は「駐車場の利用計画」
  • 隣接地の所有者の同意書、抵当権者の同意書 など

許可の前に工事を始めてしまった土地は、写真と始末書を出すよう求められます。後から許可を取ろうとしても、通常よりずっと手間がかかります。

柿木・青柳エリアのこれから

草加市の調整区域では、農地が少しずつ駐車場や資材置場に変わってきました。平成7年に約124haあった調整区域の田畑は、令和2年には約55haまで減っています(都市計画基礎調査、草加市資料)。平成9〜18年の転用19.4haの内訳を見ても、駐車場が34%、資材置場が19%を占めていました。

柿木町の北部には、草加柿木地区産業団地(約19.4ha)があり、令和6年度までに8社の施設がそろいました。市は令和8年3月に「柿木・青柳エリアグランドデザイン」を策定し、体験型農園や市民農園などで農地を活かしつつ、駐車場・資材置場が無計画に増えることへの懸念も示しています。令和8年度に推進体制などを整え、令和9年度から本格的にプロジェクトを進める予定とされており、今後の土地利用のルールが変わる可能性もあります。調整区域で用地を探す場合は、最新の動きを確認しておきましょう。

開発の手続きも忘れずに

草加市は開発許可の権限を持っており、窓口は市の開発審査課です。市街化調整区域での開発行為は、面積にかかわらず開発許可の対象になります。また、草加市には「草加市開発事業等の手続及び基準等に関する条例」があり、建物を建てない駐車場や資材置場でも、規模によっては条例の手続きが必要になる場合があります。農地の手続きと並行して、開発審査課にも早めに相談してください。

農地を手放す前に:貸すという選択肢

「農業は続けられないが、転用までは考えていない」という場合、草加市には次のような相談先があります。

  • 都市農業ワンストップ窓口(都市農業振興課):農地の貸し借り・売買、援農、市民農園の開設などをまとめて相談できます。
  • 都市農地貸借法による貸し付け:生産緑地を、契約期間が終われば戻ってくる形で貸すことができ、相続税の納税猶予も続けられます。

草加市の耕地面積は153ha(令和6年)で、枝豆や小松菜などが特産です。転用するか、貸すか、続けるかは、税金や家族の事情も含めて判断することになります。

草加市で農地を使う前のチェックリスト

  • □ その土地は市街化区域か、柿木・青柳の市街化調整区域か
  • □ 生産緑地に指定されていないか(指定されていれば、解除の見通しは立っているか)
  • □ 次の締切日(届出は6・16・26日、許可は6日)に間に合うか
  • □ 農地管理組合の排水承諾や、土地改良区の意見書が必要な区域ではないか
  • □ 開発許可や市の開発条例の手続きが必要ないか
  • □ 工事の前に、受理の書面または許可書の写しを受け取ったか

よくあるご質問

草加市の農地転用の届出は、郵送でもできますか?

できません。草加市農業委員会の案内では、届出・許可申請とも窓口への持参のみとされています。

届出をしてから、どれくらいで工事に入れますか?

締切日(毎月6日・16日・26日)に受け付けられたあと、1週間程度で受理の書面が交付されます。交付を待ってから着工してください。

生産緑地を相続しました。すぐに駐車場にできますか?

すぐにはできません。主たる従事者の死亡などを理由に買取り申出をし、3か月後に行為制限が解除されてから届出をする流れになります。相続税の納税猶予を受けている場合は、打ち切りになる影響も確認が必要です。

草加市の農地の手続きもご相談ください

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、草加市の農地転用の届出・許可、生産緑地の解除に関する手続きの段取り、建設業許可とあわせたご相談をお受けしています。草加市での建設業許可については草加市の建設業許可の記事もご覧ください。農地転用のご相談フォームから、土地の所在地と予定している使い方をお知らせください。地番や区域がわからなくても、こちらで調べます。

参考(公的情報)

※この記事は2026年11月時点の草加市・埼玉県の公表資料をもとにしています。締切日や必要書類は変わることがあるため、申請前に草加市農業委員会へご確認ください。

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