越谷市の農地転用|市街化調整区域の許可・青地の農振除外・開発事前協議の流れを行政書士が解説

越谷市の農地転用|市街化調整区域の許可・青地の農振除外・開発事前協議の流れを行政書士が解説 9. 農地転用・農地法の手続き

越谷市は、市域の約半分(52.4%)が市街化調整区域です。調整区域には稲作を中心とした田んぼが広がり、資材置場・駐車場・住宅などへの農地転用も毎年続いています。市の統計では、令和6年の農地転用面積は約13.8haで、そのうち約8.8haが市街化調整区域でした。

越谷市で農地を使うときに特に注意したいのは、農振法の農用地区域(青地)が広いことと、農地転用の前に市の開発事前協議が必要なことです。この記事では、越谷市の農地転用の手続きを、土地の場所ごとに整理します。

まず土地の場所を確認する

土地の場所 必要な手続き 目安の期間
市街化区域の農地 農地法4条・5条の届出(開発事前協議が先) 内容の審査後、翌日から7日以内(土日・休日を除く)に受理通知書
市街化調整区域の農地(青地以外) 農地法4条・5条の許可(県知事。開発事前協議が先) 毎月10日締切→同月25日前後の総会→県の許可
農用地区域(青地)の農地 農振除外→そのあと4条・5条の許可 除外までおおよそ1年程度

越谷市の区域区分は、市街化区域2,869ha、市街化調整区域3,155haです(埼玉県、令和6年4月12日現在)。越谷農業振興地域整備計画では、農業振興地域が2,131.20ha、そのうち農用地区域が約955haとされています。調整区域の農地だからといって、すぐに転用の許可申請ができるとは限りません。

どの手続きでも最初に:開発事前協議

越谷市では、農地転用の許可申請・届出のどちらにも、開発指導課の開発事前協議済証の写しを添付します。建物を建てない資材置場や駐車場で、都市計画法の開発行為にあたらないものも、「越谷市まちの整備に関する条例」の届出・事前協議の対象です。

つまり越谷市では、「農業委員会に行く前に、開発指導課(市役所本庁舎6階)で協議を済ませる」のが基本の順番です。ここを飛ばすと、締切日に間に合っても書類がそろいません。

市街化調整区域の農地:許可申請の流れ

越谷市の市街化調整区域の農地転用は、埼玉県知事の許可です。申請書は越谷市農業委員会に提出します。

  1. 開発事前協議(開発指導課)
  2. 許可申請の提出:原則として毎月10日が締切(土日祝日の場合は直前の開庁日)。本人の来庁が原則で、来られない場合は委任状と本人確認書類の写しが必要です。
  3. 農業委員会の総会:令和8年度は毎月25日前後に開催されています。許可相当として県へ意見が送られます。
  4. 県知事の許可:県の標準処理期間は、意見書を受け取ってから10日です。

締切から総会までが約2週間、その後に県の処理が続くため、申請の締切から許可まで1か月から1か月半ほどを見込んでおくと安心です。開発事前協議の期間は、これとは別にかかります。

越谷市ならではの添付書類

  • 申請書の部数:4条は3部、5条は4部
  • 開発事前協議済証の写し、登記事項証明書(3か月以内)、公図写、位置図、土地利用計画図
  • 被害防除対策書、誓約書、資金証明(融資証明など)、見積書
  • 土地改良区の意見書(区域内のみ。受付票では不可)
  • 申請日の直前に撮影した、日付入りの現況写真
  • 資材置場・駐車場の場合:「設置に係る資料」。いま使っている駐車場、所有している重機の名称と台数、本社・営業所から申請地までの距離と所要時間、資材ごとのストック量などを書きます。

資材置場は「本当にその広さが必要か」を見られる用途です。重機や資材の量と、申請する面積がつり合っているかを説明できるようにしておきましょう。また、越谷市の案内では、雑草が茂っているなど農地の管理が不十分だと受け付けられない場合があるとされています。申請前に草刈りなどをしておくのも大事な準備です。

ちなみに、令和8年8月25日の総会では、4条が2件(貸し駐車場・住宅の敷地拡張)、5条が13件(住宅12件・資材置場1件)審議されています。

青地(農用地区域)の農地:農振除外は年2回

農用地区域の農地は、原則として転用が認められません。転用するには、先に農用地区域からの除外(農振除外)を市に申し出る必要があります。

  • 受付期間:年2回(4月15日〜6月14日、10月15日〜12月14日)。窓口での相談は期間外も受け付けています。
  • 窓口:環境経済部 農業振興課(第三庁舎4階)。申出と同時に、開発指導課の開発事前協議も必要です。
  • 要件:農振法13条2項の要件をすべて満たすこと。土地改良事業の区域内なら、事業完了から8年が経っていることも必要です。
  • 用途:越谷市は除外できる用途を類型で示しており、その中に「市内または隣接市町の事業者が近くに設ける資材置場・駐車場」があります。
  • 書類:過去3年の事業実績と、転用後3年の事業計画、代わりの土地がない理由書などが必要です。
  • 期間:農業委員会の説明では、県と協議して支障がなければ、おおよそ1年程度で除外され、そのあと農地法の許可申請に進みます。

令和8年7月の農業委員会総会では、除外の申出8件のうち5件が資材置場・駐車場(いずれも建物の計画なし)でした。越谷市では、建設業者の資材置場のための農振除外は珍しくありません。ただし、たとえば12月14日の締切を逃すと次の受付は4月になり、そこから約1年かかります。青地で資材置場を確保したい場合は、受付期間から逆算して計画を立てることが欠かせません。

市街化区域の農地:届出は随時

市街化区域の農地は、農業委員会への届出で転用できます。届出は随時受け付けていて、内容の審査後、翌日から7日以内(土日・休日を除く)に受理通知書が交付されます。

  • 届出書の部数:4条は2部、5条は3部
  • 開発事前協議済証の写し、登記事項証明書、公図写、位置図。区画整理地内なら仮換地証明書と実測図
  • 土地改良区の決済金がかかる場合があります

なお、生産緑地や、相続税の納税猶予を受けている農地は、届出が受理されません。生産緑地は先に買取り申出と行為制限の解除が必要です。

資材置場・残土置場なら:盛土規制法と市の土砂条例

  • 盛土規制法:令和7年5月26日から、越谷市の全域が宅地造成等工事規制区域です(窓口は開発指導課)。土石を一時的に堆積する場合、「高さ2m超かつ面積300㎡超」または「面積500㎡超」なら許可が必要です。盛土・切土も、高さや面積によって許可が必要になります。
  • 土砂の堆積の条例:越谷市には埼玉県の土砂条例は適用されず、越谷市の条例が適用されます。土砂を置く計画があれば、規模に応じた届出などを市に確認してください。

資材と一緒に残土を仮置きする計画なら、農地転用の申請と同時に、これらの手続きも組み込んでおきましょう。

建物を建てる計画なら:調整区域の開発許可

越谷市は開発許可の権限を持っており、窓口は開発指導課です。市の案内では、越谷市は都市計画法34条11号・12号の条例の制定や区域の指定をしていません。調整区域で建物を建てるには、農家住宅・分家住宅など、法律や基準にあてはまる用途かどうかを個別に確認することになります。

越谷市で農地を使うときのチェックリスト

  • □ 土地は市街化区域か、市街化調整区域か
  • □ 調整区域なら、農用地区域(青地)に入っていないか
  • □ 青地なら、次の農振除外の受付期間(4月15日〜6月14日/10月15日〜12月14日)はいつか
  • □ 開発指導課の開発事前協議を済ませたか
  • □ 次の許可申請の締切(毎月10日)に、書類と現況写真が間に合うか
  • □ 農地の草刈りなど、管理はできているか
  • □ 資材置場の「設置に係る資料」に書く重機・資材の量と、面積がつり合っているか
  • □ 土砂の堆積や盛土があれば、盛土規制法・市の土砂条例の手続きを入れたか

よくあるご質問

越谷市の農地転用の許可は、だれが出しますか?

市街化調整区域の農地転用は、埼玉県知事の許可です。申請書の提出先は越谷市農業委員会で、総会での審議を経て県に送られます。

青地の田んぼを資材置場にできますか?

農振除外が認められれば可能性はあります。越谷市は除外できる用途の一つに、近くの事業者の資材置場・駐車場を挙げています。ただし農振法の要件をすべて満たす必要があり、受付は年2回、除外まではおおよそ1年程度かかります。

開発事前協議は、建物のない駐車場でも必要ですか?

必要です。越谷市では、開発行為にあたらない資材置場や駐車場も「まちの整備に関する条例」の届出・事前協議の対象で、農地転用の書類にも開発事前協議済証の写しを添付します。

越谷市の農地転用もご相談ください

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、越谷市の農地転用の許可・届出について、開発事前協議や農振除外のスケジュールも含めてご相談をお受けしています。越谷市での建設業許可については越谷市の建設業許可の記事、農地転用の制度全体は農地転用の許可・届出の種類をご覧ください。農地転用のご相談フォームから、土地の所在地と予定している使い方をお知らせください。地番や区域がわからなくても、こちらで調べます。

参考(公的情報)

※この記事は2026年11月時点の越谷市・埼玉県の公表資料をもとにしています。締切日、受付期間、必要書類は変わることがあるため、申請前に越谷市の各窓口へご確認ください。

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