建設業許可の変更届の期限一覧|役員変更・営業所技術者の退職・廃業届

建設業許可の変更届の期限一覧|役員変更・営業所技術者の退職・廃業届 4. 許可取得後の手続き

建設業許可を受けた後、会社名や役員、営業所、技術者などに変更があったときは、許可行政庁へ「変更届」を出す必要があります。期限は変更の内容によって異なり、大きく分けると30日以内(商号・営業所・資本金・役員等・支配人など)と、2週間以内(令3条使用人、経営業務の管理責任者等、営業所技術者(旧:専任技術者)など)の2種類です。建設業をやめるときの廃業届は30日以内です。

変更届を出し忘れると、罰則の対象になるだけでなく、更新申請や業種追加の申請を受け付けてもらえないことがあります。この記事では、建設業法11条・12条と都道府県・地方整備局の手引きをもとに、変更届の種類と期限を一覧表で整理します。

変更届の期限一覧(30日以内・2週間以内・4か月以内)

建設業法11条と、関東地方整備局・神奈川県・沖縄県・千葉県などの手引きで確認できた主な届出と期限は次のとおりです。

変更の内容 期限 根拠
商号・名称の変更 30日以内 法11条1項
営業所の名称・所在地の変更、営業所の新設・廃止(同一都道府県内など許可換えにならない範囲) 30日以内 法11条1項
資本金額(出資総額)の変更 30日以内 法11条1項
役員等の就任・退任・氏名変更、代表者の交替 30日以内 法11条1項
個人事業主・支配人の氏名変更、支配人の変更 30日以内 法11条1項
令3条使用人(支店長・営業所長など)の変更 2週間以内 各手引き
経営業務の管理責任者等(常勤役員等)の変更 2週間以内 各手引き
営業所技術者(旧:専任技術者)の変更 2週間以内 法11条4項・各手引き
経管・営業所技術者の要件を満たさなくなった、欠格要件に該当した 2週間以内 法11条5項
決算変更届(事業年度終了届)、使用人数の変更など 事業年度終了後4か月以内 法11条2項・3項
廃業(全部・一部)、死亡、合併消滅、解散など 30日以内 法12条

健康保険等の加入状況の変更については、沖縄県は加入状況に変化があった場合2週間以内(従業員数の変更のみなら年度報告時)、神奈川県は事業年度終了後4か月以内と案内しているなど、行政庁により扱いが異なります。届出に使う様式や添付書類(登記事項証明書、常勤性の確認資料など)も行政庁ごとに指定がありますので、提出前に最新の手引きを確認してください。

30日以内に届け出る変更(商号・営業所・資本金・役員)

建設業法11条1項は、許可申請書の記載事項(5条1号〜5号)に変更があったときは、30日以内に届け出るよう定めています。代表的なものは次のとおりです。

役員変更

取締役の就任・退任・重任後の氏名変更などがあった場合です。登記が完了してから登記事項証明書を取得して届け出るのが一般的です。千葉県のQ&Aでは、役員の退任については退任がわかる登記事項証明書として履歴事項全部証明書を添付するよう案内しています。役員任期の満了による重任(同じ人が再任)の扱いも含め、どの変更が届出対象になるかは行政庁の手引きで確認しましょう。

商号・本店所在地・資本金

会社名の変更、本店の移転、増資・減資などです。本店を他の都道府県へ移す場合は変更届ではなく「許可換え新規」の申請が必要になります(兵庫県Q&A)。同じ都道府県内での移転でも、管轄の土木事務所が変わる場合の提出先は行政庁の案内に従ってください。

営業所の新設・廃止

同じ都道府県内で営業所を新設する場合は変更届ですが、他の都道府県に営業所を設ける場合は大臣許可への許可換え新規となります。新設する営業所には令3条使用人と営業所技術者を置く必要があります。

2週間以内に届け出る変更(令3条使用人・経管・営業所技術者)

許可要件に直結する人の変更は、期限が2週間と短く設定されています。

営業所技術者(旧:専任技術者)が退職したとき

営業所技術者が営業所に置かれなくなった場合、代わりの技術者がいれば、2週間以内にその者に関する書面を提出します(建設業法11条4項)。千葉県の手引きでは、交替の際は新任者の追加と旧任者の削除を同時に届け出るとされています。

代わりの技術者がいない場合は、許可要件を欠くことになります。この場合は、建設業法11条5項により2週間以内に届け出る必要があり、兵庫県のQ&Aでは、代わる者がいないときは廃業届を提出するよう案内されています。営業所技術者が不在のまま営業を続けると許可取消しの対象となるため、退職の予定がわかった時点で後任の資格・実務経験を確認しておくことが重要です。資格要件は営業所技術者の要件と資格一覧で解説しています。

経営業務の管理責任者等の変更

常勤役員等(経営業務の管理責任者)が退任する場合も同様に2週間以内の届出が必要で、後任者が要件を満たしていなければ許可を維持できません。役員の退任は30日以内の役員変更届も必要になるため、両方の期限を意識しましょう。

令3条使用人の変更

支店や営業所の代表者として置かれる令3条使用人の就任・退任も、2週間以内の届出対象です(兵庫県・沖縄県・関東地方整備局の手引き)。

毎年の決算変更届(4か月以内)は別に必要

変更の有無にかかわらず、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出します(建設業法11条2項)。使用人数や令3条使用人一覧、定款の変更などもこのタイミングで届け出る行政庁が多くあります。書き方や必要書類は決算変更届の記事で詳しく解説しています。

廃業届は30日以内(建設業法12条)

次のような場合は、30日以内に廃業等の届出をしなければなりません(建設業法12条)。

事由 届出をする人
個人事業主が死亡した(相続の認可申請をしない場合) 相続人
法人が合併により消滅した(承継の認可を受けない場合) 消滅した法人の役員であった者
破産手続開始の決定により解散した 破産管財人
合併・破産以外の理由で解散した 清算人
許可を受けた建設業を廃止した(全部・一部) 個人は本人、法人は役員

許可業種の一部だけをやめる場合(一部廃業)も届出が必要です。廃業届を怠った場合は10万円以下の過料の対象です(建設業法55条1号)。なお、関東地方整備局の手引きでは、許可取消処分を免れるために廃業届を出した場合、届出の日から5年間は欠格要件に該当すると注意喚起されています。法人成りや相続で許可を引き継ぐ場合の手続きは法人成り・事業承継の記事をご覧ください。

変更届を出さないとどうなる?

  • 罰則:建設業法11条1項〜4項の書類を提出しない・虚偽記載をした場合や、11条5項の届出をしなかった場合は、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(同法50条1項2号・3号)。
  • 更新・業種追加ができない:東京都の手引きは、変更届が未提出だと更新申請など他の申請手続を行えないとしています。兵庫県のQ&Aも、更新申請をすれば変更届を省略できるわけではなく、更新申請の前に変更届を出す必要があるとしています。
  • 入札参加資格への影響:千葉県の手引きでは、入札参加資格者名簿の記載事項については期限に関係なく直ちに届け出るよう求めています。

期限を過ぎてしまった場合でも、気づいた時点で速やかに提出することが大切です。遅れた届出に始末書(理由書)の添付を求める行政庁もあります(例:千葉県)。

よくある質問

Q. 役員の自宅住所が変わったときも変更届は必要ですか?

兵庫県のQ&Aでは、役員等・使用人の自宅住所の変更については特に変更届は不要とされています(常勤性は保たれている必要があります)。取扱いは行政庁により異なる可能性があるため、手引きで確認してください。

Q. 営業所技術者が急に退職し、後任がいません。どうすればいいですか?

2週間以内に許可行政庁へ届け出る必要があり、後任がいなければその業種の許可は維持できません。退職日の前に資格者を採用・配置できるか、すぐに検討してください。

Q. 変更届は郵送や電子申請でも出せますか?

行政庁により異なります。兵庫県は郵送不可で窓口持参、東京都は一部の届出で郵送受付を行っています。国土交通省の電子申請システム(JCIP)に対応する手続きもあります。

Q. 事業年度終了届(決算変更届)も「変更届」ですか?

建設業法11条に基づく届出という点では同じですが、期限は事業年度終了後4か月以内で、毎年必ず提出するものです。役員変更などの随時の変更届とは別に管理しましょう。

まとめ

  • 商号・営業所・資本金・役員等・支配人の変更は30日以内。
  • 令3条使用人・経管・営業所技術者の変更、要件を欠いた場合は2週間以内。
  • 決算変更届・使用人数の変更などは事業年度終了後4か月以内。
  • 廃業・死亡・解散などは30日以内に廃業届(法12条)。
  • 未提出は罰則の対象となり、更新や業種追加の妨げになる。

変更届のご相談

「役員が替わったが届出が必要かわからない」「技術者が辞めることになった」など、変更届は判断に迷う場面が少なくありません。金榮国際行政書士事務所では、全国の許可業者さまの変更届・廃業届の作成をサポートしています。期限が迫っている場合も、まずは相談・見積もりページからご連絡ください。

参考(公的情報)

※本記事は2026年10月時点の公表情報をもとに作成しています。最新の取扱いは許可行政庁の手引き等でご確認ください。

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