経審の点数(P点)の計算方法と見方|X1・X2・Y・Z・Wの評点と結果通知書

経審の点数(P点)の計算方法と見方|X1・X2・Y・Z・Wの評点と結果通知書 4. 許可取得後の手続き

経審(経営事項審査)の結果は、最終的に総合評定値(P点)という1つの点数で表されます。公共工事の発注者は、このP点などをもとに業者のランク(格付け)を決めることが多く、点数の仕組みを知っておくことは受注戦略に直結します。

この記事では、P点の計算式と、もとになる5つの評点(X1・X2・Y・Z・W)の中身、結果通知書の見方をわかりやすく解説します。経審そのものの基本は経営事項審査(経審)とはをご覧ください。

P点(総合評定値)の計算式

P点は、5つの評点にそれぞれの重み(ウエイト)をかけて合計したものです。

P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W
評点 内容 ウエイト
X1 完成工事高(業種別) 25%
X2 自己資本額・利払前税引前償却前利益 15%
Y 経営状況(財務の8指標) 20%
Z 技術力(技術職員数・元請完成工事高、業種別) 25%
W 社会性等(担い手の育成、防災、法令遵守、経理など) 15%

中部地方整備局の手引き(令和8年7月)では、総合評定値の最高点は2,159点、最低点は163点とされています。X1とZは業種ごとに出るため、P点も業種ごとに違う値になります。

X1:完成工事高

審査を受ける業種の完成工事高(売上のうち、その業種の工事で完成したもの)で評価します。直前2年の平均か、直前3年の平均かを選べます。ただし、どちらにするかは全業種で共通にする必要があり、業種ごとの使い分けはできません。申請する業種全体で有利になる方を選びます。

ほかの業種の完成工事高を、一定のルールで主な業種に積み上げる「業種間の積み上げ」という仕組みもあります(積み上げを使うときは付表の提出が必要です)。

X2:自己資本額と利益額

  • 自己資本額:審査基準日の純資産合計(基準決算)か、直前2期の平均かを選べます。
  • 利益額(利払前税引前償却前利益):「営業利益+減価償却実施額」で計算し、2期平均で評価します。

赤字の年があっても、減価償却費が大きければ利益額は小さくなりにくい、という特徴があります。

Y:経営状況(財務の8指標)

Y点は、許可行政庁ではなく登録経営状況分析機関が、決算書をもとに分析します。分析される指標は次の8つです。

区分 指標
負債抵抗力 純支払利息比率、負債回転期間
収益性・効率性 総資本売上総利益率、売上高経常利益率
財務健全性 自己資本対固定資産比率、自己資本比率
絶対的力量 営業キャッシュ・フロー、利益剰余金

借入金が多い、利益が少ない、自己資本が薄いといった財務の弱さがY点に表れます。

Z:技術力(技術職員と元請完成工事高)

Z点は、業種ごとの技術職員の人数と資格、そして元請完成工事高で評価します。技術職員は、資格に応じて1人あたり次の点数で数えます(山形県の手引き〈令和7年4月〉より)。

資格の区分 点数
1級技術者で、監理技術者資格者証があり監理技術者講習を修了している 6点
上記以外の1級技術者 5点
監理技術者補佐(1級技士補で、主任技術者になれる資格も持つ者) 4点
基幹技能者、能力評価レベル4の技能者 3点
2級技術者、能力評価レベル3の技能者 2点
その他の技術者(実務経験など) 1点
  • 1人の職員を技術職員として申請できるのは2業種までです。
  • 1つの業種に対して、同じ人を2つの資格で重ねて数えることはできません。
  • 技術職員として数えるには、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があることなどが必要です。

W:社会性等

W点は、次の8つの項目で評価します。加点だけでなく、営業停止処分を受けた場合などの減点もあります。

  1. 建設業の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(建退共・退職金制度・法定外労災、若年技術者、CPD、ワーク・ライフ・バランス、CCUSなど)
  2. 建設業の営業継続の状況(営業年数、民事再生・会社更生)
  3. 防災活動への貢献の状況(防災協定)
  4. 法令遵守の状況(営業停止処分・指示処分)
  5. 建設業の経理の状況(監査の受審、公認会計士等・建設業経理士2級の人数)
  6. 研究開発の状況
  7. 建設機械の保有状況
  8. ISO9001・ISO14001・エコアクション21の認証

令和8年7月1日以降の申請からは、社会保険の加入状況が審査項目から外れ、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」が加点対象に加わるなどの改正がありました。項目ごとの加点の取り方は経審の点数を上げる方法で解説しています。

結果通知書の見方

経審を受けると、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が届きます。見るべきポイントは次のとおりです。

  • 審査基準日:この日から1年7か月が有効期間です(有効期間の記事)。
  • 業種ごとのP点:入札参加資格で使うのは、受注したい業種のP点です。
  • X1・Zの業種別の内訳:どの業種で点数が伸びているか、弱いかがわかります。
  • Y点・W点:全業種共通の評点です。財務とW項目の取組の状況がわかります。

結果に行政側の誤りがあると考えるときは、結果通知を受けた日から30日以内に再審査を申し立てることができます(中部地方整備局の手引き)。

点数の目安・ランクは発注者によって違う

「何点あればAランクか」は、全国共通の基準があるわけではありません。国・都道府県・市区町村などの発注者が、それぞれの入札参加資格の審査で、P点に独自の評価(主観点)を加えて格付けを決めています。受注したい自治体の格付け基準を確認しましょう。

他社の経審結果は、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のホームページで公表されているので、同じ地域・業種の会社と比べることもできます。

よくあるご質問

P点は全業種で同じですか?

違います。X1(完成工事高)とZ(技術力)が業種ごとに計算されるため、P点も業種ごとに出ます。Y点とW点は全業種共通です。

自分で点数を試算できますか?

決算書と技術職員の資格がわかれば、おおよその試算はできます。ただしX1・X2・Zは評点への換算表があり、Y点は登録経営状況分析機関の分析が必要なので、正確な点数は申請してみないとわかりません。

経審の点数を試算します

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、決算書や技術職員の資格をもとに、経審の点数の試算と、点数を伸ばすための準備をお手伝いしています。まずはご相談・お見積りページからお問い合わせください。

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参考(公的情報)

※この記事は2026年10月時点の公的情報をもとにしています。評価の細かな取り扱いは改正されることがあるため、申請前に必ず最新の手引きをご確認ください。

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