【経審】令和8年7月改正のポイントと再審査の特例|社会保険の削除・自主宣言5点・建設機械11種【動画あり】

経審の改正(令和8年7月)|社会保険の項目削除・自主宣言で5点加点・建設機械11種に拡大・再審査の特例 4. 許可取得後の手続き

令和8年(2026年)7月1日から、経営事項審査(経審)の審査項目の一部が変わりました。社会保険の加入状況が審査項目から外れ、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の加点(5点)が新しくできるなど、W点(その他の審査項目・社会性等)を中心とした改正です。

さらに、改正前の基準で経審を受けた会社には、新しい基準で点数を出し直してもらえる「再審査」の特例があります。ただし申し立てできる期間は令和8年10月28日までと限られています。

この記事では、まず動画で経審の基本と改正のポイントを確認したうえで、改正の中身と再審査の特例を、建設業者の方が「自社は何をすればよいか」という目線で整理します。

まずは動画で経審の基本と改正点を確認(約4分)

経審とは何か、受ける必要がある会社、P点の仕組み、有効期間「1年7か月」、そして令和8年7月の改正と再審査の特例まで、キャンピングカー行政書士が約4分で解説しています。

▲ 経審の基本を文章で読みたい方は、経営事項審査(経審)とは?わかりやすく解説をご覧ください。この記事では、動画の後半で触れた「令和8年7月の改正」と「再審査の特例」をくわしく解説します。

動画の目次

  • 0:33 経審とは?(公共工事の元請に必要な「会社の通知表」)
  • 1:06 経審を受ける必要がある会社・不要な会社
  • 1:34 審査される4つの観点(X・Y・Z・W → P点)
  • 2:05 経審の流れ(5ステップ)
  • 2:32 有効期間は「決算日から1年7か月」
  • 2:51 令和8年7月の改正ポイント
  • 3:29 再審査の特例
  • 3:43 まとめ

令和8年7月改正のポイント早見表

令和8年7月1日以降に受け付けられた申請から、次の内容が適用されています。

項目 改正前 改正後
社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)の加入状況 未加入の場合、各項目マイナス40点 審査項目から削除
建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度 (項目なし) 宣言していれば5点を加点(新設)
CCUS(建設キャリアアップシステム)の就業履歴蓄積の措置 民間工事を含むすべての工事:15点
すべての公共工事:10点
民間工事を含むすべての工事:10点
すべての公共工事:5点
建設機械の保有状況 対象機械9種 「不整地運搬車」「アスファルト・フィニッシャ」を加えた11種
技術職員の評価(能力評価基準のレベル3・4) - 加点の対象となる建設業の種類を追加

社会保険の審査項目が削除(加入義務はそのまま)

これまでは雇用保険・健康保険・厚生年金保険に未加入だと、それぞれW点が大きく減点されていました。改正でこの審査項目そのものがなくなりました。

ただし、社会保険への加入をしなくてよくなったわけではありません。適切な社会保険への加入は建設業許可の要件になっているため、加入は引き続き必須です。未加入のままでは、許可の申請や更新の段階で問題になります。

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」で5点加点

国土交通省が進める「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」に宣言している会社は、W点で5点の加点を受けられるようになりました。宣言は専用のポータルサイトで行い、経審の申請時には宣言書と誓約書を添付します。

注意したいのは、審査基準日(通常は決算日)の時点で宣言していることが条件だという点です。決算日を過ぎてから宣言しても、その決算での経審には反映されません。次の決算日より前に宣言しておくことが大切です。

CCUSの配点は5点ずつ縮小

CCUSで技能者の就業履歴を蓄積する措置の配点が、民間工事を含むすべての工事で15点から10点に、すべての公共工事で10点から5点に見直されました。

CCUSに取り組んでいても自主宣言をしていない会社は、改正前より点数が下がる可能性があります。CCUSに取り組んでいる会社ほど、あわせて自主宣言もしておくと、改正前と同じ水準の点数を確保しやすくなります。

建設機械に「不整地運搬車」「アスファルト・フィニッシャ」が追加

加点対象となる建設機械が、従来の9種から11種に広がりました。対象の機械を所有またはリースしている会社は、点数が上がる可能性があります。

加点を受けるには、所有を証明する書類(売買契約書・リース契約書など)、規格が確認できる書類(カタログなど)、稼働可能なことが確認できる資料(自動車検査証や特定自主検査記録表など)が必要です。台数によっては点数が変わらない場合もあるため、申請前に確認しておきましょう。

W点の加点項目全体については、経審の点数を上げる方法|W点の加点項目と技術職員・建設業経理士でくわしく解説しています。

改正前の経審を持っている会社は「再審査」の特例

改正前の基準で審査を受け、その結果通知書がまだ有効な会社は、改正に関係する項目について新しい基準での「再審査」を申し立てることができます。受けるかどうかは任意です。

対象となる会社 改正前の基準で経審を受け、再審査を申し立てる日に結果通知書が有効期間内(審査基準日から1年7か月以内)である会社
申し立てできる期間 令和8年7月1日から令和8年10月28日まで(改正日から120日間)
再審査の対象 改正に係る項目のみ(主に自主宣言制度の加点、追加された建設機械の加点)
主な注意点 審査基準日の時点で加点の対象になっていることが条件。点数が変わらない場合は申し立てできない

再審査を検討するときの注意点

  • 期限は「到達」で判断されることがある:たとえば福岡県では、10月28日(水)までに申立書が県に届いている必要があるとされています。郵送の場合は特に注意が必要です。
  • 電子申請(JCIP)に対応していない行政庁がある:福岡県や広島県などでは、再審査の申し立ては電子申請の対象外とされています。
  • 変更できるのは改正箇所だけ:再審査で変えられるのは改正に係る項目のみで、それ以外の数字を直すことはできません。
  • 入札参加資格に反映されるとは限らない:再審査の結果を入札参加資格の格付けに使うかどうかは、発注機関ごとに扱いが異なります。事前に発注機関へ確認しましょう。

申し立ての方法や必要書類は許可行政庁ごとに異なります。期限が迫っていますので、再審査を考えている方は、すぐに申請先の許可行政庁へ確認してください。

おさらい:経審の有効期間は1年7か月、毎年の受け直しが基本

動画でもお伝えしたとおり、経審の有効期間は、結果通知書が届いた日からではなく、審査基準日(原則として決算日)から1年7か月です。切れ目なく公共工事を受注するためには、毎年、決算が終わったら早めに決算変更届を出し、経審を受け直す必要があります。

今回の改正は、令和8年7月1日以降に受け付けられた申請から適用されます。次の決算で経審を受けるときは新しい基準で審査されますので、自主宣言や建設機械など、加点につながる準備は決算日より前に済ませておきましょう。具体的なスケジュールは経審の有効期間は1年7か月|「経審切れ」を防ぐスケジュールで解説しています。

よくあるご質問

社会保険に入っていなくても、経審の点数は下がらなくなったのですか?

経審の審査項目からは外れましたが、社会保険への加入は建設業許可の要件です。未加入のままでは許可の取得や更新ができないため、経審の点数とは関係なく加入が必要です。

自主宣言はいつまでにすればよいですか?

経審で加点を受けるには、審査基準日(通常は決算日)の時点で宣言している必要があります。次の決算で加点を受けたい場合は、決算日より前に宣言を済ませておきましょう。

再審査を受けないと、何か不利益はありますか?

再審査は任意なので、受けなくても罰則などはありません。次に経審を受けるときから新しい基準で審査されます。ただ、改正で点数が上がる会社は、入札参加資格への反映の扱いも含めて、早めに検討する価値があります。

下請工事だけの会社も、今回の改正に対応する必要がありますか?

経審は、国や地方公共団体の公共工事を元請として直接請け負う会社が受ける審査です。下請工事や民間工事だけの会社は、法律上、経審を受ける必要はありません。ただし元請から経審の受審を求められることはあります。

経審・再審査のご相談はこちら

経審は、決算変更届、経営状況分析、経審申請と手続きが続き、今回のような改正があると準備する書類も変わります。建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、決算書や保有機械の状況をもとに、点数の試算や再審査の検討、申請書類の作成までサポートしています。ご相談・お見積りページからお気軽にお問い合わせください。

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参考(公的情報)

※この記事は2026年10月時点の公的情報をもとにしています。再審査の申し立て方法や必要書類、期限の扱いは許可行政庁ごとに異なるため、申請前に必ず最新の手引きをご確認ください。

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