【山梨県】建設業許可申請の書類作成で難しい点と注意点|令和8年4月版手引き対応

3. 申請手続きと必要書類

山梨県で建設業許可(知事許可)を申請するときは、県の「建設業許可の手引き」(令和8年4月版)と「確認書類一覧表」に沿って書類をそろえます。山梨県には、工事資料の件数や財産要件の証明方法など、他県と大きく異なるルールがあります。

この記事では、手引きをもとに、申請書類を作るうえで特に難しいところと、見落としやすい注意点を整理しました。なお、山梨県の審査は完成した書類の審査で、下書き段階での作成指導には応じてもらえません。

まず押さえたい:「許可申請書類」と「確認書類」

区分内容部数
許可申請書類許可申請書(様式第1号)と、法令で添付が求められる書類(工事経歴書、財務諸表など)正本1部・副本1部
確認書類(提出)申請内容を確認するために県に提出する書類(住民票、登記事項証明書、写真など)各1部
確認書類(提示)確認後に返却される書類(新規以外の確定申告書控など)—

提出書類はA4判が基本です。綴じるときはホッチキス止めではなく、紐またはダブルクリップを使います。

難しい点1:常勤役員等の経験は「各事業年度1件以上」の工事資料で証明

常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の経験を証明するには、立場を示す資料と、建設業を営んでいたことを示す工事資料の両方が必要です。

  • 法人役員の経験:履歴事項全部証明書(必要に応じて閉鎖謄本)の原本
  • 個人事業主の経験:確定申告書控(必要年数分)
  • 工事資料:工事請負契約書の写しを、証明期間の各事業年度1件以上

つまずきやすいポイント

  • 契約書がない場合でも、工事期間と工事内容が記載され、領収証や入金状況がわかる書類を添付すれば、注文書・発注書・工事請書・請求書でも認められます。
  • 個人事業主としての経験は、事業を主として行い、常に対外的に責任ある立場で経営に携わっていた期間に限られます。他の事業所で社会保険に加入していた期間は、原則として認められません。
  • 個人事業主の補佐経験を証明する場合は、事業主の確定申告書控の「事業専従者」または「給料賃金の内訳」欄に、補佐していた人の氏名が載っている必要があります。あわせて、事業主の3親等内であることがわかる戸籍謄本・抄本も必要です。
  • 執行役員経験や補佐経験を使う場合は、組織図・権限規程・辞令などに使用者の奥書証明が必要です。
  • 許可業者での経験なら、許可通知書や当時の許可申請書副本、決算変更届の副本などで代替できる場合があります。

難しい点2:実務経験は「各月1件以上」の工事資料が必要

資格がなく実務経験で営業所技術者等になる場合(原則10年、指定学科卒業なら短縮あり)、山梨県では工事請負契約書の写しなどを証明期間の各月1件以上そろえる必要があります。10年なら単純計算で120か月分です。

  • 申請する業種について、証明期間の各月ごとの証明が必要です(実務経験と指導監督的実務経験の重複のみ認められます)。
  • 申請者と異なる会社などでの経験が含まれる場合は、社会保険加入証明書(原本)も必要です。
  • 確定申告書控(必要年数分)も対象になります。

「各月1件以上」は、群馬県の「1年に1件」や埼玉県の「間隔3か月未満」と比べてもかなり厳しい基準です。実務経験だけで申請する場合は、早めに資料がそろうか確認しましょう。

難しい点3:常勤性の確認書類が令和8年度から変わった

健康保険証の廃止に伴い、山梨県では令和8年度から常勤性の確認書類が見直されました。マイナ保険証や資格確認書には事業所名が載らないため、常勤性の確認書類としては使えません。一方で、これまで健康保険と雇用保険の両方の書類が必要だったのが、次のいずれか1つで足りるようになりました。

申請者常勤性の確認書類(いずれか1つ)
個人事業直近決算の確定申告書の写し(第一表・第二表・受信通知)。「給与」欄に金額の記載がないことが前提
法人健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書の写し/雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写し/住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し/年金事務所発行の被保険者記録照会回答票 など

書類には屋号・商号と氏名の両方が記載されていることを確認して提出します。また、住民票上の住所と営業所が通勤可能とはいえないほど離れている場合は、通勤経路図や運転免許証・車検証の写しなど通勤の確認書類も求められます。

難しい点4:財産的基礎は「融資可能証明」で証明

一般建設業の財産的基礎について、山梨県の手引きでは次のように整理されています。

  • 法人:直前の決算の自己資本(純資産合計)が500万円以上なら追加資料は不要。500万円未満の場合は融資可能証明が必要
  • 個人:自己資本での判定はなく、500万円以上の融資可能証明(原本)が必須
  • 預金残高証明書は不可。金融機関が発行する融資可能証明が必要です
  • 融資可能証明の内容に、新たな融資審査や条件付与をうたっているとみなされるものは認められません

多くの都道府県では預金残高証明書で500万円の資金調達能力を示せますが、山梨県では使えません。個人事業主の新規申請では、金融機関への相談を早めに始めましょう。

見落としやすい注意点

1. 証明書類は取得から3か月以内のもの

各証明書類は取得から3か月以内に交付されたものが必要です。住民票は原本で、本籍の記載があり、マイナンバーの記載がないものを提出します。

2. 社会保険は「適用事業所関係事項確認(申請)書」

健康保険・厚生年金保険については、年金事務所の「適用事業所関係事項確認(申請)書」(3か月以内のもの)を提出します。令和8年1月に様式が変わり、令和8年8月以降は旧様式が使えません。

3. 工事経歴書の不備例

  • 草刈り・除雪・路面清掃・地質調査・保守点検・維持管理などは建設工事ではないため記載しない
  • 許可業種以外の建設工事がある場合も、「その他」として用紙を改めて記載する
  • 工事施工金額(様式第3号)や損益計算書の完成工事高と金額を一致させる
  • 千円単位で、請負代金の大きい順に記載する。工事実績がない許可業種も「実績なし」と記載して作成

4. 営業所の写真

外部2枚・内部2枚程度をカラー印刷し、所定の台紙に貼ります。外部は商号の看板、内部は事務台帳や机などが写っていることが必要です。台紙には自己所有か賃貸かを記載します。

提出のルール(山梨県)

項目内容
提出先山梨県 県土整備部 県土整備総務課 建設業対策室(甲府市丸の内1-6-1 北別館3階)
受付時間月〜水曜日の9:00〜11:00、13:00〜16:00
提出方法持参、郵送、または電子申請(JCIP。gBizIDが必要)
窓口に行ける人申請者の関係者で責任を持って受け答えできる方、または委任を受けた行政書士(行政書士の補助者のみでは申請不可)
手数料新規9万円、更新・業種追加は各5万円。令和8年から収入証紙は廃止。「山梨県手数料(Pos)納付用連絡票」で窓口収納レジに納付し、納付済証を申請書に添付
許可通知許可後に許可通知書が送付されます

まとめ

山梨県の建設業許可申請では、工事資料の件数(経営経験は各事業年度1件、実務経験は各月1件)、融資可能証明による財産要件、新しい常勤性確認書類の3点が特に重要です。下書きの段階で指導を受けられないため、最初から完成した書類を出す必要があります。

「自分の経験で要件を満たせるのか」「どの資料を集めればよいか」など、判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。

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出典:山梨県県土整備部県土整備総務課 建設業対策室「建設業許可の手引き」(令和8年4月版)、「確認書類一覧表」「令和8年度以降の常勤性確認書類について」。最新の様式や取扱いは、山梨県ホームページ「建設業許可の手引き・申請書類(様式)」でご確認ください。

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