群馬県で建設業許可(知事許可)を申請するときは、群馬県の「建設業許可申請のしおり」に沿って書類をそろえます。しおりは170ページ以上あり、確認資料の出し方には群馬県独自のルールも少なくありません。
この記事では、しおり(令和7年2月改訂版)をもとに、申請書類を作るうえで特に難しいところと、見落としやすい注意点を整理しました。なお、申請内容が要件を満たさず不許可になった場合や、申請を取り下げた場合でも、手数料(新規9万円)は返還されません。
まず押さえたい:書類は3つに分けて提出する
群馬県では、申請書類を次の3つに分け、決められた綴込順にそろえて提出します。
| 分類 | 内容 | 綴じ方 |
|---|---|---|
| ① 申請書(閲覧対象) | 申請書、工事経歴書、財務諸表など、一般の閲覧に供される書類 | 長辺左側をひも綴じ |
| ② 申請書(閲覧対象外) | 住所・生年月日等に関する調書、登記されていないことの証明書、身分証明書、納税証明書など | クリップ等で留める |
| ③ 確認資料等 | 確認書、経験年数・常勤性・社会保険・財産要件の確認資料、営業所写真など | クリップ等で留める |
製本テープでの綴じは不可です。綴じ方まで指定があるので、提出前に必ず確認しましょう。
難しい点1:常勤役員等(経営業務の管理責任者)の5年の経験を証明する
常勤役員等のうち1人が、建設業に関して5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を持っていることが必要です。群馬県では、次の2点をセットで証明します。
- 立場を証明する資料:法人役員なら登記事項証明書(履歴事項全部証明書)、足りない期間は閉鎖登記簿謄本。個人事業主なら所得税の確定申告書(第一表)の写しまたは所得証明書(5年分)
- 建設業を営んでいたことを証明する資料:建設業許可通知書の写し、または工事契約書・注文書等の写しや発注証明書(1年につき1件、5年分)
群馬県ならではの注意点
- 工事の資料は、発注先・発注元・工事内容・発注金額・工期が確認でき、発注者の記名押印があるものに限られます。
- 建設業法などの法令に違反して請け負った工事は、確認資料として認められません。
- 確定申告書の写しは、マイナンバーが隠されたものでなければなりません。マスキングされていない場合は確認書類として扱われず、即時廃棄されます。
- 執行役員としての経験や補佐経験(規則第7条第1号イ(2)・(3))、常勤役員等+補佐者の方式(同号ロ)で申請する場合は、申請前に資料を県へ送付して相談することが求められています。
難しい点2:常勤性を示す資料をそろえる
常勤役員等と営業所技術者等は、申請する会社に常勤していることを資料で示す必要があります。法人の場合、主に次のいずれかを使います。
- 健康保険被保険者証の写し(国民健康保険は不可、有効期限内のもの)。裏面に現住所を記入し、裏面の写しも添付
- 社会保険の被保険者標準報酬決定通知書の写し(算定基礎届ではありません)
- 70歳以上の場合は、厚生年金保険70歳以上被用者標準報酬月額相当額決定のお知らせの写し
営業所技術者等の場合は、上記に加えて住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)の写しや住民票が必要になるケースがあります(役員は省略可)。
保険証の写しは「保険者番号」「被保険者等記号・番号」を、標準報酬決定通知書は「被保険者整理番号」を黒塗りしてから提出します。法人や社会保険加入の個人事業主で社会保険に加入していない場合は、常勤者と認められません。
難しい点3:営業所技術者等の実務経験10年を証明する
資格や指定学科の学歴がない場合、許可を受けたい業種について10年以上の実務経験が必要です(指定学科卒業なら高校5年・大学3年など短縮あり)。実務経験証明書(様式第9号)の書き方にも細かい決まりがあります。
- 「実務経験の内容」欄には、「○○駅ビル増改築工事現場監督」のように具体的な工事名と経験の種類を書き、請負金額も記載します。
- 経験月数を合計して、10年なら120か月になるよう記載します。期間の重複は二重に数えられません。複数業種の証明期間も重複できません。
- 自己・自社で証明する場合は、工事契約書・注文書等の写しまたは発注証明を、1年に1件、証明する年数分(10年なら最低10件)提出します。
- 一式工事から専門工事などへの「振替」を使えば、合計12年以上(目的業種は8年超)で要件を満たせる場合があります。
しおりには「実務経験の内容が抽象的」「請負金額の記載がない」「工事経歴書と内容が一致しない」といった不備の例も挙げられています。
難しい点4:工事経歴書と財務諸表
工事経歴書は「5割」まで記載すればよい(経審を受けない場合)
- 業種ごとに作成し、実績がない業種も「実績なし」と記入して作成します。
- 経営事項審査を受けない場合は、完成工事を請負代金の大きい順に、5割を超えるところまで記載し、続けて主な未成工事を記載すれば足ります。
- 経審を受けない場合、税込・税抜は任意ですがどちらかに統一します。経審を受ける場合は税抜(免税業者は税込)です。
- 1件の工事を複数の業種に分けて記載することはできません(例:ビル新築を管・電気・建築一式に分けるのは不可)。
- 樹木の剪定・除草、除雪、測量・設計、保守点検、清掃業務などは建設工事に当たらず、損益計算書の「兼業」に計上します。
財産的基礎(500万円)
一般建設業では、直前の決算の自己資本が500万円以上であれば追加資料は不要です。足りない場合は、500万円以上の預金残高証明書または融資証明書を提出します。
- 証明日(「○月○日現在」)が申請日から1か月以内のものが必要です。
- 複数の金融機関の残高を合算する場合は、同じ日の残高を証明したものにします。
- 法人は法人名義、個人事業主は事業主本人名義のものに限られます。代表者個人名義の残高証明書は対象外です。
見落としやすい注意点
1. 証明書類は受付日前3か月以内のもの
登記されていないことの証明書、身分証明書、登記事項証明書、納税証明書などは、特段の定めがない限り受付日前3か月以内に発行されたものが必要です。対象は役員(監査役を除く)、個人事業主、令3条使用人などで、顧問・相談役は不要です。
2. 納税証明書は「事業税」
知事許可の場合、法人は法人事業税、個人は個人事業税の納税証明書を提出します。新設法人で決算期が来ていない場合でも提出が必要です。
3. 営業所写真は3か月以内に撮影し、3点そろえる
- 建物の全景、事務所の入口、事務所の内部の3点が必要(営業所ごと)
- 全景と入口の写真では、看板・表札などで商号が確認できること。ビルの場合は建物入口の写真も別途必要
- 内部の写真では、電話機・机などの備品や事務台帳が確認できること。ブラインドやカーテンは開けて撮影
- 自己所有か賃貸かの別を記載
4. 群馬県独自の書類を忘れない
- 建設業許可申請書類 確認書(確認資料の綴込の最初)
- 照会対象者の一覧表(新規・更新・業種追加など各申請で提出)
- 必要に応じて発注証明書、雇用保険加入済確認願(ハローワークの確認印があるもの)
提出のルール(群馬県)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 群馬県県土整備部 建設企画課 建設業対策室(県庁21階南フロア) |
| 提出方法 | 申請区分を問わず郵送または来庁。郵送は必ず書留(証紙貼付額が5万円以下なら簡易書留でも可)。電子申請(JCIP)も利用可 |
| 来庁受付 | 月・水・木曜日のみ。10:00〜11:30、13:00〜15:00(予約不要) |
| 部数 | 正本1通。収受印のある副本が必要な場合は副本も(郵送返却なら切手を貼った返信用封筒) |
| 手数料 | 新規9万円、更新・業種追加は各5万円。しおりでは群馬県収入証紙で納付(消印は押さない)。払込書を希望する場合は事前に相談 |
| 審査期間 | 約1か月(書類がそろっている場合) |
許可通知書は郵送で届きます。手数料の納付方法は変更される可能性があるため、申請前に県のホームページで最新情報を確認してください。
まとめ
群馬県の建設業許可申請では、工事実績を1年1件ずつ証明すること、常勤性を社会保険の資料で示すこと、そしてマイナンバーなどの黒塗りが大きなポイントです。郵送で申請できる一方、書類の不備は郵送でのやり取りになり時間がかかるため、最初からそろえて出すことが近道です。
「自分の経験で要件を満たせるのか」「どの資料を集めればよいか」など、判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。
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出典:群馬県県土整備部建設企画課「建設業許可申請のしおり」(令和7年2月改訂版)。最新の様式や取扱いは、群馬県ホームページの「建設業許可申請のしおり・様式集・Q&A」でご確認ください。


