経審の点数を上げる方法|W点の加点項目と技術職員・建設業経理士【令和8年7月改正対応】

経審の点数を上げる方法|W点の加点項目と技術職員・建設業経理士【令和8年7月改正対応】 4. 許可取得後の手続き

経審(経営事項審査)の点数は、決算の数字だけで決まるわけではありません。技術職員の資格や、退職金制度・防災協定・建設機械などの社会性等(W点)の取組で、着実に上げられる部分があります。

この記事では、経審の点数を上げる方法を、評点ごとに「すぐできること」と「計画的に進めること」に分けて解説します。点数の計算の仕組みは経審の点数(P点)の計算方法と見方をご覧ください。

まず押さえたい:点数は「審査基準日」の状況で決まる

経審は、原則として直前の決算日(審査基準日)時点の状況で審査されます。決算日を過ぎてから制度に加入したり資格を取ったりしても、その年の経審には反映されません。点数を上げる取組は、次の決算日までに終わらせておくことが大切です。

W点(社会性等)を上げる方法

W点は全業種に共通で効くうえ、取り組めば確実に加点されるものが多いのが特徴です。W点は、各項目の点数(素点)の合計に「1750/200」をかけて計算します(令和5年の改正以降)。P点ではW点のウエイトが0.15なので、素点が1点増えると、P点はおよそ1.3点上がる計算になります。

取組 素点の最大 ポイント
建設業退職金共済(建退共)への加入 15点 加入・履行の証明書で確認
退職一時金制度または企業年金制度の導入 15点 中小企業退職金共済(中退共)なども対象
法定外労働災害補償制度への加入 15点 保険の内容に要件あり
防災協定の締結 20点 国・自治体等との協定(団体経由を含む)
建設業経理の状況(監査の受審、公認会計士等・建設業経理士2級の人数) 30点 建設業経理士の資格取得が現実的
建設機械の保有 15点 所有のほか、審査基準日から1年7か月以上の使用期間があるリースも対象。令和8年7月から対象機械を拡大
ISO9001/ISO14001・エコアクション21 各5点(EA21は3点) 認証の取得が必要
知識・技術・技能の向上(CPD単位、技能レベルの向上) 10点 技術者・技能者の研修受講
ワーク・ライフ・バランス(えるぼし・くるみん・ユースエール) 5点 認定の種類で点数が変わる
建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴蓄積 10点 令和8年7月から配点見直し(全工事10点・全公共工事5点)
建設技能者を大切にする企業の自主宣言 5点 令和8年7月から新設
営業年数 60点 年数に応じて自動的に増える

※最大点は国土交通省「経営事項審査の主な改正事項」(令和5年1月)と、兵庫県の令和8年7月改正の案内をもとに整理。細かな要件は申請先の手引きで確認してください。

令和8年7月の改正で変わったこと

  • 社会保険の加入状況が審査項目から削除:これまでは未加入だと大きく減点されていましたが、審査項目から外れました。ただし社会保険の加入は建設業許可の要件なので、加入は引き続き必要です。
  • 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」が5点の加点に:審査基準日が宣言日以降であること、宣言書と誓約書を出すことが条件です(鹿児島県の案内)。
  • CCUSの配点が見直し:民間工事を含むすべての工事で就業履歴を蓄積する措置が15点から10点に、すべての公共工事で行う措置が10点から5点になりました(兵庫県の案内)。
  • 建設機械の対象が9種から11種に:不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャが加わりました。

改正前の基準で結果通知を受けた業者は、改正された部分について再審査を申し立てられる場合があります。兵庫県では受付期間を令和8年7月1日から10月28日まで(手数料無料)としています。期間や扱いは行政庁ごとに異なるので、申請先に確認してください。

減点を避けることも大切

審査基準日の直前1年間に営業停止処分や指示処分を受けていると、W点が減点されます。日頃から法令を守ることが、そのまま点数を守ることにつながります。

Z点(技術力)を上げる方法

Z点は業種別に計算され、P点のウエイトも0.25と大きい評点です。技術職員の資格の区分で点数が変わります。

  • 2級から1級へ:2級技術者は2点、1級技術者は5点です。
  • 監理技術者講習を受ける:1級技術者が監理技術者資格者証を持ち、講習を修了していれば6点になります。
  • 1級の第一次検定に合格する:1級技士補で、主任技術者になれる資格(2級施工管理技士など)も持っていれば、監理技術者補佐として4点です。
  • 2業種の申請を活用:1人の技術職員は2業種まで申請できます。受注したい業種に振り分けましょう。
  • 採用は早めに:技術職員として数えるには、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係が必要です。決算日の直前に採用しても、その年は数えられません。

元請完成工事高もZ点の評価対象なので、元請の受注を増やすことも点数につながります。

X1・X2・Y点を上げる方法

  • X1(完成工事高):2年平均と3年平均の有利な方を選ぶ(全業種で同じ方を選ぶ必要があります)。工事を正しい業種に計上し、必要に応じて業種間の積み上げを使う。
  • X2(自己資本・利益):利益を内部に残して自己資本を厚くする。自己資本額は基準決算と2期平均の有利な方を選べる。
  • Y(経営状況):借入金を減らす、利益率を上げる、利益剰余金を積み上げるなど、財務体質の改善が中心です。顧問税理士と決算の前から相談しておくと効果的です。

点数アップの年間スケジュール例(3月決算の場合)

時期 やること
4〜7月 前期の経審を受ける。結果通知書で弱い評点を確認する
夏〜秋 建退共・退職金制度・法定外労災の加入を検討。建設業経理士・施工管理技士の受験を計画
秋〜冬 防災協定、自主宣言、ISOなどの準備。技術職員の採用は9月末までに(6か月超の雇用のため)
3月末(決算日) この日の状況で次の経審が審査される

よくあるご質問

建設業経理士は何級を取ればいいですか?

W点の経理の項目では、建設業経理士1級などは「公認会計士等」の人数として、2級は「二級登録経理試験合格者」の人数として評価されます。まずは2級の取得から始める会社が多いです。なお、合格した年度の翌年度の開始日から5年を過ぎた人は、登録経理講習を受けてから5年以内であることが必要です。

点数を上げるために、事実と違う申請をしてもわかりませんか?

経審では、加入証明書・資格証・雇用の確認書類などで一つずつ確認されます。虚偽の申請は罰則や監督処分の対象になり、公共工事の受注そのものを失うおそれがあります。絶対にやめましょう。

経審の点数対策をご相談ください

建設業許認可・農地転用サポートセンターでは、前回の結果通知書をもとに、どの項目で点数を伸ばせるかを整理し、次の経審までの準備をお手伝いしています。まずはご相談・お見積りページからお問い合わせください。

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参考(公的情報)

※この記事は2026年10月時点の公的情報をもとにしています。加点の要件は細かく定められているため、申請前に必ず最新の手引きをご確認ください。

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