「次の現場は、許可を持っている会社しか入れない」――元請からそう言われて、慌てたことはありませんか。
JR常磐線、東京メトロ日比谷線・千代田線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスの5路線が乗り入れる北千住は、都心の現場にも、茨城・埼玉方面の現場にも出やすい場所です。そのぶん、元請の規模も現場のルールもさまざまです。
この記事では、北千住を拠点にする一人親方や小さな会社の方に向けて、「大きな現場に入るときに何を求められるか」と「建設業許可を取るときにどこでつまずきやすいか」を、順番に書いていきます。
北千住駅前で計画されている再開発
北千住駅前では、「北千住駅前地区第一種市街地再開発事業」の都市計画が令和8年6月に決定されました。報道によると、高さ約123m・29階建て、延床面積約4万4,900㎡で、商業施設・子育て支援施設・宿泊施設・住宅が入る計画です。着工は2028年度、完了は2031年度の予定とされています。
駅の目の前で、これだけの規模の工事が数年続くことになります。
大きな現場で、下請業者が求められるもの
ゼネコンが元請になる現場では、下請に入る会社に対して、おおむね次のような確認があります。現場によって違いはありますが、目安として挙げておきます。
| 確認されること | ポイント |
|---|---|
| 建設業許可の有無と業種 | 施工体制台帳に許可番号・業種を記載します。500万円未満の工事でも、許可業者を優先する元請は少なくありません |
| 社会保険の加入 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況を確認されます。適正な社会保険への加入は、建設業許可の要件にもなっています |
| 作業員名簿・安全書類 | いわゆるグリーンファイル。許可番号を書く欄があります |
| 建設キャリアアップシステム(CCUS) | 登録を求める現場が増えています |
許可の要否そのものは「1件500万円以上(税込・材料費込み、建築一式工事は別基準)の工事を請け負うか」で決まります。ただ現実には、金額に関係なく「許可業者かどうか」で線を引かれることがある、というのが現場の感覚です。
一人親方が許可を取るときの、3つの壁
壁1:経験を書類で証明できるか
許可を取るには、営業所に専任の技術者を置く必要があります。国家資格がない場合は、その業種で原則10年以上の実務経験が必要で、その経験を書類で証明しなければなりません。
一人親方の場合、証明に使えるのは主に当時の請求書や注文書、通帳の入金記録です。10年分となると、「捨ててしまった」「元請が口頭発注だった」というケースが本当に多いです。
東京都の場合、5年を超える経験を請求書などで証明するときは電子申請(JCIP)が使えず、紙で申請することになっています。都庁の窓口に行く手間も含めて考えておく必要があります。
壁2:500万円の資金
一般建設業の許可では、自己資本が500万円以上あるか、500万円以上の資金を調達できる能力(預金残高証明書など)が求められます。
壁3:個人で取るか、法人で取るか
個人事業主のまま許可を取ることもできます。あとで法人にする場合も、事前に事業承継の認可を受ければ許可を引き継げます。ただし認可の申請は承継予定日の90日前までに行う必要があり、間に合わなければ法人で許可を取り直すことになります。数年以内に法人化を考えているなら、順番と時期を先に決めておくと手間もお金も少なく済みます。
→ 個人事業主・一人親方の建設業許可
→ 法人成り・事業承継と建設業許可
北千住の業者さんは「東京都知事許可」
北千住に営業所があれば東京都知事許可です。知事許可でも、工事そのものは全国どこでも施工できます。埼玉や茨城の現場に出ることが多くても、営業所が東京都内だけなら大臣許可は必要ありません。
2028年度の着工までに、逆算すると
許可の申請自体は、書類が揃えば東京都の標準処理期間(受付後25日、閉庁日を除く)で結果が出ます。時間がかかるのは、その前の「経験の証明書類を集める」段階です。古い請求書を探したり、昔の元請に証明をお願いしたりするのは、思い立ってすぐにはできません。
大きな現場に入りたいと考えているなら、まず手元にどれだけ書類が残っているかを確認するところから始めるのが確実です。
竹ノ塚の事務所から、乗り換えなしで
当事務所は足立区竹の塚にあり、北千住からは東武スカイツリーラインで乗り換えなしです。「自分の書類で経験が証明できそうか」だけでも見てほしい、という相談も歓迎しています。
費用は、当事務所の報酬が新規(知事・一般)で120,000円〜(税別)、ほかに東京都に納める手数料が9万円です。


